痴漢・レイプ

お洒落して学校に行ったつもりが…

生徒会長とは学校という学生にとって全てとなる社会の中で教師に次いで権力を持つ存在である、という事は言うまでもない。

その力や影響力は学校や生徒会長によってそれぞれに異なるけれどもそれは置いておこう。

今私の目の前に居る前田会長は頭も良ければスポーツも出来る典型的な文武両道でその上ルックスも性格も良い。

他校にもファンクラブがいるというから驚きの一言に尽きる人。

「…今朝、放課後生徒会室に来るように言われた二年三組の松山菜々子まつやまななこです」

「はい、松山さんね。私は生徒会長の前田圭吾まえだけいごです…さて」

椅子から立ち上がった会長はツカツカと私の目の前に来ると落ち着いた口調で「なぜ呼ばれたかわかりますか?」と聞いてきた。

「いえ…何でですか?」

「校則を違反したからです。短いスカート丈、茶髪、化粧、ピアス、指定外の靴、それに鞄のストラップ類、それからマニキュアもです」

「あー…」

空気の盛れるような音を出して私は視線を泳がせた。

校則は知っていたけど、授業に影響しない程度のお洒落なら見逃してもらえると思っていたのに。

「すみません」と口先だけでとりあえず、謝ってみるものの納得いかずに「でも、」と言葉を続けた。

「でも、なんですか?」

「私、無断欠席とかしてませんし、ちょっとのおしゃれくらい…見逃してもらえませんかぁ?」

「見逃せませんねぇ」

「でもぉ…」

「でも、じゃありません」

「…だって」

「ふざけんなよ」

「え?」

「聞こえなかったか?頭だけじゃなく耳も悪いのか」

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