マニアック

秘密の部屋で、秘密の情事。

海野清美は3日前に再会した元カレ、タケルとの浮気行為にひどく心を悩ませていた…

そしてこのLINEだ。

…今から家に来て欲しい。

清美はそれを既読したまま、何も返事をせず、もう6時間が経過していた。

………

………

………

清美とタケルは高校の同級生で、彼女はタケルに恋していた。

タケルは二枚目俳優の様に端正な面立ちをして、背が高く、性格も優しかった。

いっぽう清美は、あまりぱっとせず、優柔不断で、友達もあまり居なかった。

清美はその当時美術部に入っていたが、お世辞にも上手いとは言えず、従って特技等も全く無かった。

とは言え、容姿に関しては、誰もが認める美貌をそのおぼろな表情の中に隠し持っていた。

素直で優しく、清美の両親は、一度として彼女の口からわがままや文句を聞いた事が無かった。

その美貌と生来の軟弱な性格のせいで、同性からは色々と陰口を言われたり、小さな悪戯を受けたりもした。

が、清美の同級生の女子は、実際は悪い人は少なく、そんな悪戯は入学してから1ヶ月程でなくなってしまった。

男子からは当然モテたけれども、その物静かな性格のせいで、次第に殆どの男子が興味さえ持たなくなった。

タケルは同じクラスの女子と付き合っていたので、清美は自分の恋心を身内に抑えつけなくてはいけなかった。

高校を卒業して、清美とタケルはそれぞれ別の大学に入った。

清美は大学に入ると、直ぐに一つ年上の彼氏ができた。

なのでタケルに対する恋心は気づくと勝手に消えてしまっていた。

それから清美は大学を無事に卒業して、某IT企業のプログラマーに就職した。

清美はもともと理系の人間であったのだが、大学に入ってからプログラミング等に強い興味を持ち、ひたすら勉強していたのだった。

プログラマーとしては、清美は大変優秀であった。

又職場の雰囲気も良く、清美は毎日が幸せであった。

彼氏は仕事のためフランスに居たので、二人は毎日の様にビデオ通話で色々な話をしてお互いの寂しさを紛らわしていた。

1 2 3 4
RELATED NOVEL
ただ皆で鍋をしていただけなのに… マニアック

ただ皆で鍋をしていただけなのに…

236 views 作・谷野 潤二郎
官能小説が無料で読める ちょっとエッチな子猫たん
大学に入って初めての冬休み。 私達は午前から隣県のK公園やS塔等を回ってトリプルデートをした後、疲れで妙に興奮しつつ談笑をしながら帰りの電車を過ごし、駅を出ると、ここから最寄 …

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。