あたしには付き合っている男性がいます。
ラブラブで結婚だって視野に入れてるくらいの男性。
同棲はまだしていないと言うか、あたしが実家暮らししているから、
なかなか二人の時間は長くはないんです。
だからうまくいっているのかな。
………
………
けれどもつい先日言われました。
「俺らってこのままでいいのかな。なんか付き合ってる感があんまりなくね?」
と。
「え‥だってあたしたち‥‥‥」
「ただごはん行って、ただ毎日LINEして‥‥正直疲れた」
「あたしは好きだよ!?」
「俺‥‥お前のことが好きかわからない」
あたしは必死になる。
だってずっと彼一人だけだったから。
これからの人生、彼なしでは生きられないよ。
「だから別れよう。すずな」
愛しい彼氏から名前を呼ばれた。
いつもならドキドキして嬉しいのに、
今日は心からショックすぎる。悲しい。
「‥‥‥もう、戻れないの?」
「あぁ。悪いな。」
「わかったよ」
あたしは精一杯の笑顔を彼に送った。
もしまたどこかで出会えたら、お互いに困った空気にならないように。
それがあたしなりの最後なんだ。
「じゃぁ俺、家帰るわ」
「うん」
「さよなら、
最後はそうやって、あたしの苗字を呼んだ。
「ばいばい」
泣きそうだったけど、大好きな健だったからあたしはがんばった。
それから半年が経った。
あたしは仕事に打ち込んでいて、あっという間だった。
仕事はあたしを
「雪村主任ー。」
今の職場ではわりとえらい方の主任になった。
「はい?」
部下に呼ばれて玄関に行くと、知らない男性が立っていた。
その隣には困った表情の部下。
なんとなく察してあたしは外で話そうと促して会社を後にした。