あたしは何のとりえもない。
特別に美人とか、料理が上手とか、イラストがうまい、とか。
そんなこともまったくないのだ。
でもあたしに出来ることは、誰かを
今日からは良い日だ。
長かった生理が終わってくれたおかげで、あたしは仕事が出来るようになった。
あたしの仕事の内容ですか?
‥‥‥‥‥‥知りたいですか?
………
………
………
「
あたしは彼との待ち合わせの場所にいた。
後ろから彼の声がして、満面の笑みで振り返った。
「こんにちは、ゆーたさん」
「薫ちゃんだ‥‥‥」
「ん??」
「いや、本物の薫ちゃんだって思って‥‥‥」
「やだなぁ。ゆーたさんってば」
あたしは薫だ。
とあるサイトにいつも常駐している麻生薫。
ほんとうはあたしではない、あたしなんだ。
誰にも言わないって約束で話すと、本名でも本当の年齢でもない。
“麻生薫(23)”はあくまでもあたしの偽名なんですよ。
「じゃ、行こうか薫ちゃん」
どこに行くかは‥‥‥わかるよね?
「はーいっ!」
部屋に入ると、すぐにゆーたさんは抱き着いてきた。
後ろからハグされるのは怖いけど、まぁいいか。
首筋をちゅ、ちゅ、とキスされる。
嫌でもないけど、嫌でもある。
そして手はあたしの服の中にするっと入って来る。
お腹をまさぐられて、次第に上に上がってきて、ブラジャーの前ホックを外した。
胸が露わになると、ゆーたさんは興奮してきたのか息遣いが荒くなっている。
うなじにはキスよりも、生暖かい息がかかっていた。
後ろから胸を揉まれていたら、えっちなあたしだって興奮してくる。