「ごちそーさんー」
「はいよー。ゆきちゃん洗濯物あったら出しておいてね?明日は天気が良いみたいだし、土曜日だし―‥‥‥」
話しながらゆきちゃんと自分が食べた後の食器を、持ってキッチンへと運ぼうとした。
するとあたしは軽くゆきちゃんの手にあたった。
顔面は真っ赤になって汗をかきそうなくらいの
「ご、ごめんねー!」
「‥‥‥」
無言が怖いんですけど。
やっぱり‥‥‥あたしなんかじゃ女として、異性として見れないよね。
もちろん家族になったから、難しいだろうけど。
ゆきちゃんは‥‥あたしが告白したらなんて答えるだろう。
そりゃぁびっくりだろうし、義理とはいえ妹からだし、笑われる?
けど、こんな風な生活が出来なくなるなんて、それこそ無理だ。
あたしは泣きそうになるのをこらえて、小走りでキッチンに向かう。
その背後からゆきちゃんが抱き着いてきた。
あたしは‥‥‥驚きとかの感情がぐちゃぐちゃで、何が何だかわからない。
今どうなっているの?
………
………
「はーあ。こんなんだからお前から目ぇ離せないんだよな」
「?ゆきちゃ‥‥」
振り返ってゆきちゃんを見れば、真剣なまなざしをしていた。
それを見れば、ゆきちゃんに顎をつかまれてキスをされている。
一瞬、唇が離れれば、
「目ぇつぶれよ」と少し恥ずかしそうに言う。
「え?だ、って、え?」
「すきありすぎ」
深く深く、食べられそうなキス。
甘く感じるのは、さっき食べたデザートの杏仁豆腐だ。
「ん、」
逃げられそうもない。
というよりも、あたしはこのままゆきちゃんとどうにかなりたい。
「まどか。嫌なら断れ。今少しなら待てるから」
「や‥‥じゃ、ない。でもあたしたちって‥‥‥」
「相思相愛だろ?」
ゆきちゃんは自信満々にそう話す。
嬉しくなったあたしは笑顔でゆきちゃんを抱きしめ返した。
徐々に深くなるキスは、なんだかもどかしい。
息することがどんどんつらくなってきた。
呼吸しようとして口の端を開けるけど、ゆきちゃんの舌があたしの口を食べてしまう。
逃げられない。
ゆきちゃんの胸をドンと押せば、ゆきちゃんは唇を離してくれた。
その表情は、いじわるだ。