翌朝。
あたしは出勤する気にもならなかった。
「あたし…何やってんだろ…」
すると自宅のインターフォンが鳴った。
慌てて出るとそこには―…
「起きてたか、寝坊助」
「!?安藤さん!!」
「携帯電源切れてんぞ」
「え?あ、すみません…」
昨日のことなどまったく気にしていない様子だった。それになんだかむしょうに腹が立った。
「これ」
「?」
一枚の白い用紙に緑の線で囲まれた個所をみる。
「りこ…ん?」
「そ。正式に離婚が完了したんだ」
「本当に…?」
「だからその足で迎えに来たよ、葉月」
あたしは馬鹿みたいだ。
信用できなくって一人で泣いて、と思ったらこんな風に優しく選んでくれる人がいるのにも関わらず避けようとも考えていた。
「さて、葉月、中に入れて」
「あ、そうですね。玄関じゃ…」
中に入るとさっそく勇人は葉月を抱きしめた。
「あー落ち着く」
「あたしは落ち着きません」
「なぁ」
「はい?」
「名前で呼んで」
「は…勇人…さん」
「かわいい。好きだよ、葉月」
見つめあって、自然とキスの流れに。
何度も唇を重ねているうちにだんだんと欲情してくる二人。
気が付けば勇人は葉月の胸を、葉月は勇人のふとももをさすっていた。
勇人が葉月の膣に触れた。
それだけで喘いでしまうあたし。
いやらしい…
「ぬるぬる。な、入れてもいい?」
この言葉を聴くことは初めてだった。
だって、いままでキスも挿入もしてくれなかったじゃない
それなのに…
「今更、って顔してんのな。一応俺、結婚してたからキスとか中いれだけは避けてきた。けど、葉月と出会ってこういう欲求にかられたよ。こんなにも…葉月を好きになるなんてな」
「勇人さん…」
「ってことで…」
「きゃっ」
床に押し倒される。
そのまま膣に勇人さんのモノをいれてられる。
「っんああぁっ」
「き、もちい…」
「は、ぁ、あたしも」
「動くよ」
ゆっくりと、そして徐々にペースを上げていく。
あたしは喘ぐしかなくって、気持ちよすぎで、何も…勇人さん以外のことなんか考えられなかった。
そして二人同時に達した。
「葉月。これからは逃げれないからな」
「はい、どこまでもついていきます!」
「いい子いい子」
「子供扱いしないでください」
「…あーだめだ」
勇人さんはべっとりとしたキスをくれた。
それだけで伝わる欲求不満の心の感情。
正直あたしもだった。
だから両腕を勇人さんの首の後ろに回した。
それからは何度も何度も、一人暮らしの葉月のマンションにて、お互いが満足できるまで、何度も何度もセックスしていた。
これは、暖かい、愛情あふれるセックス。
この上ない幸せの時間だ。
人間、諦めすぎちゃだめですね。