「誰がお前に痴漢なんかするか」
「自意識過剰」
「示談金目当ての冤罪じゃないの?」
一瞬で脳裏に浮かぶ批判に体がすくんだ。
悲しいかな、元々のネガティブな性格が自分の首を絞めてくる。
なにより駅員に突き出して警察を待って事情を話して…
…なんてしていたら会社に遅れてしまう。
面倒事は避けたかった。
いろんな考えが浮かんでは消える。
美樹がたじろいでいる間にも痴漢は手を休めること無く大胆にも女の子の一番大切な所へと降り迫ってきていた。
ふに、と下着越しに指が割れ目をつつく。
「っ…」
お尻ならまだ黙っていられたけどそこを触られるのは流石に…
…そう思った私は、痴漢から再び逃れようと身体をよじる。
しかし時既に遅く、その指先は女性の最も敏感な部分、小さな神経の塊を目ざとく見つけるとカリカリと優しくひっかくようにくすぐり始めた。
腰を捻り痴漢に背を向けようとするもその手が美樹から離れることはなく、そして的確にクリトリスを弄くり続ける。
「んん…っ」
固く閉じた唇の奥から小さく息が漏れる。
下半身がかっと熱くなりキュンと甘く疼く。
嫌なのに感じ始めている自分に美樹は泣きそうになりながら刺激に反応してしまうのはただの生理現象だと己に言い聞かせた。
まさか私みたいな地味女がターゲットにされるなんて…
…痴漢に会うなんて初めてのことだった。
漫画や小説などで見慣れたシチュエーションではあったが、自分がその立場に立っているということに少しもドキドキしていないと言えば嘘になる。
しかしいざなってみると気持ち悪くて怖いものだ、とも感じていた。
そんな彼女の思いも知らず、指はクリトリスを執拗に弄ってくる。
身動きできない、声すら出せないこの状況で敏感なウィークポイントに絶え間ない刺激を与えられるのはまるで拷問のように思えた。
………
………
(変な声が出ちゃいそう…でもそしたらきっと周りの人にも気づかれちゃう…)
痴漢されて喘いでいると周囲の不特定多数に注目されるなんてことは女性なら誰しも避けたい状況だ。
下半身を熱く火照らせながらも上半身は努めて冷静に装う。
しかし息が上がっているのを悟られないよう必死に堪えながらも肌は紅潮し、頬や首はうっすら汗ばんで髪が張り付いていた。
濡れているのは肌だけではない。
じわりと恥ずかしい体液が体の奥から染み出してくるのが自分でもわかった。
心とは裏腹にすっかりいやらしく発情してしまった体を痴漢は執拗に責め立てて追い込んでいく。
完全に勃起して硬く尖った陰核を指先でつまみ上げるように挟み扱かれる。
かわいそうに小さな突起は薄い下着一枚を隔てただけで顔も知らない見知らぬ男の手に