「ひっ…ん…んんっ…」
こんなの駄目、声が出ちゃう…
…周りに沢山人がいるのに…
満員電車で痴漢にあっているという異常な状況に、彼女の体はささやかな刺激にも敏感に反応するほど興奮していた。
カクカクと膝は震え、目は潤み、愛液は躊躇なく下着を濡らしていく。
ここまでされても抵抗のない彼女に痴漢は調子に乗ったのか下着の隙間から指を差し込んできた。
ぬちゃあ…と愛液にまみれた割れ目に触れる。
(濡れてるの、知られちゃった…もういやぁ…もう降りたい…)
恥ずかしい体液でぐちゃぐちゃに濡れたそこを触られてしまった…
…しかし電車から降りてしまえば遅刻してしまう。
それにドアは遠い。
彼女は絶望と恥ずかしさのあまりもう
どうにもできない、なんて事は単なる建前でもしかしたら無意識に、さらなる快感を求めていたのかもしれないが。
愛液をまとった指はそこの手触りや形を確かめるようにねっとりと性器全体を撫で回す。
先程までのクリトリスに与えられていた鮮烈な刺激とは打って変わってじれったい、快感とは程遠い淡い刺激。
指先が入り口を
嫌悪感を忘れたわけではない。
痴漢なんて卑劣で気持ち悪い、その気持はまだ彼女の中に残っていたがそれを上回る
「っあ…」
指が浅く入ってくる。
美樹は無意識に、痴漢が指を奥まで入れやすいよう腰を突き出していた。
ぬちゃぬちゃと、朝の電車状況にふさわしくない水音が聞こえたように気がして思わず口を手で塞ぐ。
周りの人に不審に思われたらどうしよう、こんな状況を知人に見られでもしたら…そう思うほど背徳感に後押しされた興奮が加速してしまう。
手で抑えてもなお、はーっ、はーっ…と荒い呼吸が隙間から漏れる。
熱く充血した膣壁をこじ開け、細い指がぐぷぐぷと侵入してくる。
くぽ、くぽ、と数回出入りしたと思うとそれまで一本だった指が二本に増やされた。
その刺激は予想以上に大きかった。
「ふあっ…」
嬌声と共にビクンと体が大きく揺れる。
低い咳払いが聞こえ、美樹はハッと顔を上げた。
スーツを着た中年のサラリーマンが迷惑そうな顔でこちらを
「あ、す…すみませ、ん…」
彼はまさか自分の隣に立つ地味な女が痴漢に感じされられているなんてこれっぽっちも思わないだろう。
単に具合の悪そうな女がフラフラしていて迷惑だ、と思っているに違いない…いや、そう思っていてほしいと私は心から祈った。
(やっぱりもう駄目、もう逃げよう、これ以上は…)
こんな状況になってようやく冷静さを取り戻した美樹だが、体内に深く差し込まれた指はそれを許さない。
それどころか二本の指は彼女の中を縦横無尽にかき回し始めた。