背後から突然かけられた女性の声に飛び跳ねるほど驚いて美咲はバッと声のした方へ顔を向ける。
中年の女性が私の斜め後ろから棚の商品を見づらそうに眺めていた。
「あ、す…すみませ…」
邪魔な位置にいた事を詫び、すっとその場を後にしようとしたその時中に収まっていたバイブがゴリ、と感じる一点を強く擦った。
「っは…っ!」
ガクン!と崩れ落ち膝をつく。
「え、だ、大丈夫ですか!?」
「あ…あ、だいじょ…ぶ、です…から…っ!」
全くもって大丈夫ではないくせに美咲は額から流れてくる汗を手の甲で拭いなんでもないフリをしようとする。
しかし彼女の内外で性感帯を激しく刺激し暴れる玩具は容赦なく体を高ぶらせ、限界の直前でなんとか踏ん張ろうと歯を食いしばる美咲を苦しめた。
(やめて、待って…こんな所で…っ!)
ブルッと大きく体を震わせたかと思うと、美咲は小さく痙攣を繰り返しながら見知らぬ人の前で絶頂に達してしまった。
(いやぁぁぁ…きもちいいよぉ、ダメなのに、こんなの…)
短いスカートの裾からいやらしい匂いが立ち上っているのが自分でもわかる。
どうか振動音を聞かれませんように…
そう願いながら「すみません…大丈夫なんです、ちょっと、立ちくらみがしただけで」と今にも涙が零れ落ちそうな程潤ませた瞳で、顔を高調させ息も切れ切れに嘘をつく。
「でも、顔真っ赤ですよ」
女性にそう指摘され、更に顔が熱くなる。
死にそうなほど恥ずかしくなった。
自分を心配し、外にベンチがあるから少し休んだらどうかと提案する女性に作り笑顔で小さく頭を下げると未だ小刻みに震える脚でなんとか立ち上がった。
「あ…ありがとうございます、少し休んでから、帰ります」