「失礼しまーす!」
明るい声の店員が半開きだった引き戸から声をかける。
心臓が一瞬止まった、と思った。
「お飲み物はお決まりですか?」
「ああ、ビール2つね」
「かしこまりましたー!」
止まった心臓が一度大きく跳ねて、それからドクンドクンと脈打ち始める。
下半身にじわりと熱が
「ついでに注文もしよう。何食べようか」
「あ…わ、わたしは何でも…」
「まあまあそう言わずに」
メニューなんて見る余裕なんてない。
わかっていながらこの男は美里にそれを手渡し、僕は何でもいいよ、適当に選んでと丸投げしてくる。
「じゃ、じゃあ…サラダと、この串盛りを…」
メニュー表で胸元をさりげなく隠しながらなんとか適当に二、三品注文する。
緊張か興奮か、頬は
「もじもじしちゃって可愛いねえ」
田嶋は身を乗り出さんばかりに興奮した様子で美里をからかう。
「ノーブラノーパンで居酒屋に来てる痴女がいるって知られたら騒ぎになっちゃうかもなあ」
かあっと顔が熱くなった。
無理やりさせておいて、と言い返すことも出来ずただ黙ってうつむくことしか出来ない。
「会社にもパ、パンティーを履かずに出勤してみるか?なーんてな、へへへ」
今時パンティーと言う人間が本当に居たのかと内心呆れながら田嶋のどうでもいい
「失礼しまーす!」
チェーンの安い居酒屋なだけあって、料理は思っていたよりずっと早く運ばれてきた。
今の話を聞かれては居ないだろうかと背筋に冷たい汗が走る。
そんな心配を他所に店員はテキパキと皿を置くと何も無くすぐに外の所へ飛んでいった。
………
………
………
(よかった、あの様子じゃ多分聞かれてないわ…)
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………
「店員にバレてないかドキドキしちゃった?」
田嶋は脳天気に鼻の下を伸ばしてニヤニヤと美里の透けた胸元を眺めながら離し続ける。
「そわそわもじもじして見るからに怪しかったからなあ、もしかしたらバレてるかもよ?」
「だって……下着を履いてないのが、落ち着かなくて…」
田嶋の言うとおり、確かに料理を受け取る際少し太ももをもじもじと動かしていた。
でも怪しまれるほどではなかったはず…美里はそう自分に言い聞かせるように心のなかで呟く。
「もしかして濡れてるんじゃないの?」
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「そんなこと、ありません」
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………
………
「じゃあ確かめようか」
「…え?」
美里が問い返す間もなく、田嶋はぬるりと気持ち悪い動きで掘りごたつの中へと消えた。
そして脂ぎった手で彼女の膝を
料理は運ばれてきた、戸は閉められた…もう呼び出しボタンを押さなければ店員からこちらに来ることはまずないだろう。
よほど騒いだり長居すれば別だろうが。
なるほどこの変態中年オヤジが考えそうな事だと美里は妙な納得をしながらその手に導かれるままに恐る恐る足を開く。
こんな所で下着をつけていないそこを露わにするなんて、もし人に知られでもしたらと思うとぞっとするほど恐ろしかったがこの男の機嫌を損ねて秘密をバラされるほうがずっとずっと恐ろしい。
太ももが開くのに合わせてスカートもずり上がる。
そして黒い茂みの奥、しっとり濡れて蒸れた匂いを放つ肉厚な割れ目が田嶋の眼前に晒された。
………
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「なんだ、もう湿ってるじゃないか」
………
………
………
「…あっ…」
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………
ぬちゃ、と押し広げられると思わず小さく声が漏れる。