淡いエメラルドグリーンのワンピースを脱ぎ床に残したままピンクのカットソーに手を伸ばす。
カーキのチュニックに袖を通してはまたワインレッドのニットを手にとった。
床に散らばる色彩が重なる毎に苛立ちをつのらせながら鏡の前で唇を噛む。
決まらない服、何を着ていくか何を持っていくか…彼は私の服に注意を払わない。
それどころかどうせすぐ脱がされるとわかっていながらトランクに数枚投げ込んだ。
選び抜いたコーディネートと下着、化粧品。
翌朝、欠伸を噛み殺してそれらを手に私は電車に乗り込んだ。
駅を出ると彼はいつもと変わらないラフなシャツとジーンズで立っていた。
携帯片手に
「いや、待ってないよ」そう言って笑う彼は
整った顔立ちに黒髪が似合っていて知的な雰囲気。
理工系の大学に通う三年生の彼、
軽く話しながら二人並んで彼の住むアパートへ向かう。
大学の友達に見られたらからかわれたりして恥ずかしいから、と彼が言うから外では手は繋がない。
だけど悠真の部屋に入ると、玄関を閉めた途端にその場でキスをしてきた。
片手でドアの鍵を締めながら噛み付くようなキス。
長い舌が私の中にヌルっと入り込んできて髪を撫でながら口内をクチュクチュかき回されると途端に体が熱くなった。
「
悠真は玄関先にもかかわらず靴も脱がないまま私の首筋にキスしてきた。
チュ、と音を立てて啄むように何度も首筋から喉、そして襟からギリギリ覗く鎖骨へ唇を滑らせる。
「ひゃ…ぁん…」
太腿に触れた彼の手が肌を撫でてスカートの中に忍び込む。
少しのくすぐったさに肩が小さく跳ねた。
「ん、くすぐったいよ」
「ダメ?」
「…ダメじゃないけど…ベッドいこ?」
「玄関でシテみたい」