会計を済ませて、車に戻る。
沈黙がいたたまれなくて、マリコはわざと明るい声で
「美味しかった、ね!」
と声に出した。
「気に言ってもらえたなら嬉しいです」
「うん、すごく気に入った、ありがとう」
松村が車を運転し、会社への岐路につく。
ランチの時の気まずさを忘れるように、二人はわざと楽し気に会話を続けた。
松村に見られてしまっていた以上、もうあの電車に乗ることは出来ない。
それに、自分だってその行為がおかしいとわかっていた。
それなのに――マリコは翌朝、また同じ電車に乗っていた。
やめようと思っていたのに、どうしても身体が火照ってしまったのだ。
また松村に見られてしまったら、それこそ会社にだっていられなくなってしまうかもしれない。
それなのに、腹の底から湧き上がるような欲求には
同じ場所に立ち、同じような服装に身を包んだマリコに、またあのカバンが近付いてくる。
硬いソレが尻にあたる感触に、マリコはぴくりと震えた。
しかし、それは一瞬で、硬い物はすぐにマリコの身体から離れてしまう。
「――え……?」
マリコがそちらを確認する前に、今度は柔らかいものがマリコの尻を包み込んだ。
それは、人の手だった。
(え、うそ……っ)
今までとは違う直接的な接触に、マリコは驚いて後ろを振り向く
――そこにいたのは、松村だった。
「え、松村、くん……?」
「マリコさん……そんなに欲しいなら、僕がしてあげますよ」
耳元で小声で囁かれ、背筋がぞくりとする。
背の高い松村に後ろから抱きすくめられるようにして、マリコの身体はすっぽりとおおわれてしまった。
松村の掌が、マリコの尻をぐにぐにと揉みしだく。
もう片手は太ももを撫でながら、タイトスカートが上へとずり上げられた。
「ま、つむらっくんっ……!」
「し、気付かれちゃいますよ」
「っ……!」
松村の手は止まることなく、マリコのスカートの中へと入ってくる。
下着がぎりぎり見えない位置までスカートが上げられ、足の間へと男の手が滑り込んだ。
ストッキングをはいた足の上から、掌が肌を撫で上げる。
足の間を何度も指が往復して、その感触にマリコの身体がびくりと震えた。
「は、っ……う、んん」
指が何度も前後すると、クリトリスが擦られて甘くしびれてくる。
こんな状況なのに、身体は簡単に反応して愛液が足の間から染み出していた。
下着が割れ目の形に張り付き、クリトリスを指先で重点的に擦り上げられる。
声を出さないように必死に唇をかみしめていたマリコの腰は、次第にゆらゆらと揺れ始めていた。
「はっ、はぁ……あっ、んうう」