「あぁっ!ああん!」
自らクリトリスを刺激し、自然と彼の動きに合わせて腰を振る。
頭の中は快楽を求め、貪るように。
「っ……そろそろ、イきそう……」
彼の声が聞こえた。
私はこくこくと頷き、ラストスパートへ舵を切る。
「あっ、あっ!ひ、ゃああああ!!」
彼のモノが私の中で弾けたと同時に、私も絶頂を迎えた。
頭の中は、暫く真っ白だった。
自慰を見られてしまった事の恥ずかしさはとうに捨てて、ただただ激しいセックスの余韻だけが残っていた。
………
………
………
「……大丈夫か?」
「あっ、うん……」
声をかけられて、ようやく正気が戻ってくる。
何を言ったら良いのか、少しだけ気まずい沈黙が流れた。
けれどそれは、少しだけ付き合いたての頃を思い出させるような空間だった。
「……ごめん、正直……お前のあんな姿見て、興奮した」
「そっ、それは……」
今更ながら、顔が熱くなる。
見れば彼も同じく顔を赤くしていて、なんだかおかしかった。
気恥ずかしいのはお互い様なのだろう。
あんなにがっつく彼を見るのも、本当に久しかった。
………
………
………
「また……しよ?」
「おう……」
こうして、私達はまた身体を重ね合わせる機会が増えた。
一度開けてしまえば、なんてことはなかったのである。
私も最初から、素直に物足りなさを伝えても良かったのかもしれない。
ただーー
………
………
………
その後、我が家にこっそりとアダルトグッズが増えてきている事は、まだ秘密にしているのだった。
- FIN -