「あぁ、いい…っ」
喉の奥からかすれた声が漏れる。
それを聞くと、彼は嬉しそうに微笑む。
そしてまたキスをした。
手を、足を、舌を彼に絡めて深い快感を貪る。
「っう…出そう」
彼は小さく身震いして、それから激しく腰を打ち付けてくる。
マシンガンのような力強い動きにたまらず手元にあったクッションを握りしめた。
「ああぁっ!激しっ凄い…!」
「イク…!」
除湿しているにもかかわらず彼から汗がポタポタ、と垂れてくる。
それすら可愛く思えて、力なく私の上に倒れこんできた彼の髪に、耳に、そっとキスをする。
お腹に出された体液は彼と私のお腹で押しつぶされた。
その後タクシーを呼び、シャワーを浴びた彼を私は名前も聞かずに返した。
彼はもう来ないと言った。
それでいい、ただ、雨に濡れた男女が居ただけのことなんだもの。
- FIN -