わたしにはトラウマがある。
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両親が離婚してからのことだ。
そしてそれから母には新しい彼氏がいた。
その彼氏は離婚した母と、あたしのいるアパートに同居することになっていた。
「痛い!!!」
「黙れくそガキ!!」
そうだ。
その頃からあたしは男の処理に追われていた。
濡れていないあたしの膣に、ギンギンの男性のモノを挿入される。
泣き叫ぶあたしには見向きもしない母。
母は自分が求めるとき以外のセックスはしないと言っていた。
その代わり、セックスをしたいときはあたしを利用していい、そのために離婚したんだと再三言われた。
「ぃああぁ!!痛い!!たす…おか…お母さん!!!」
「うるさいな!また誰かくるでしょ!?その痛みくらい我慢しな!!このくず!!」
「あーあ。俺萎えちゃったじゃん。大声出すなよ」
「ごめーん。ほら咲菜。咥えてあげなさい」
「やだ!!!」
「いいから言うとおりにしなさい。追い出すよ」
それでも泣いていたらインターフォンが鳴った。
慌てて母は玄関に出る。
「すみませーん、うちの子が泣きわめいちゃって」
「本当かい!?助けてって…何度も…」
「て、テレビですよ!」
これは何度目だ。
あ、7回目の逃げるチャンスだ。
そう思った。
咥えろと頭を押さえられていたが、歯を立てて反抗すると、その肉棒から血が出た。
「うわ!!!!てめぇぶっ殺されてーのか!!!!!!!」
「ちょっとうるさい!」
「おいコラ!てめぇが用意した掃き溜めが歯を立てやがった!!うわ、血が!!!!!!!」
それを聞いたアパートの住民が数名出てきて、警察官も来た。
その瞬間だ。
逃げるなら今、とあたしは走った。
「あ!咲菜!!??」
誰にも見つからないように。
誰とも話さないように。
とにかく走った。
その時の服装なんて気にもしない。
ただただ、走って逃げた。
そしてあたしは、ひと駅分走って倒れた。
すると膝とあごを擦りむいたために痛みが走る。
それと同時に雨まで降ってきた。
あたしは擦りむいた膝とあごを抑えながら、近くにあった公園に入った。
そこには新年会帰りの、黒木専務たちがいた。
あたしを見るなり気の毒だなと思っている表情のみんな。
けれども黒木専務は違った。
近寄ってきてくれて、あたしの傷にハンカチを巻き、その個所にキスをくれた。
「…来るか?」
黒木専務は一言、あたしにそう話しかけた。
「…うん」
この人はあたしにきっと、何かをくれる人だと思った。
だから、従った。