「んぁ、は……」
あたしは今、誰がどう見てもじらされて喜んでいるだろう。
けど誤解しないで。
こういうプレイが好きとかではなくて、
彼氏に売られてしまったせいなんだ。
もう、感覚がマヒしてしまっている。
………
………
「おいおい
「おね、がい。いかせて…………」
「懇願してる姿も可愛いね」
まったく話を聞いてくれない。
この人はあたしが監禁されているビルのオーナーらしい。
会話からそう思えるのだ。
なんであたしがこうなっているのかというと………
…………
…………
「ねーねー
いつものように、あたしのお休みの日には出かけていて、
いつものように、並んで歩いていた。
目的地なんか特に決めずに歩く。
佑史は特別かっこいいわけでもないし、スタイルが良いわけではない。
彼の人間性に惹かれて付き合ったのだ。
「今日は行きたい場所がある」
「いいよ!」
「でも…………」
「??」
なにかを言いたそうな佑史。
こういう時って一番危ない道を通ることになってしまうんだろうな。
嫌な予感はしつつも、佑史が話をしてくれることを待つことに決めた。
「佑史、大丈夫?」
「え…………っと…………」
「わかった!ホテル行きたいの!?」
「!!」
「しかたないなー。いこっか!」
あたしは満面の笑みを浮かべて話題をそらした。
だけどそれが原因のもとになろうとは、この時は予想だにしなかった。
………