私が逃げ出さないようにガードを固めながら、店員は店の裏方へと進んでいく。
間違いなく、バレた。
促された椅子に座ると、店員はガチャリとスタッフルームの鍵をかけた。
私の真正面にどかっと座ると、眉間にシワを寄せながら机をトントンと指先で叩き出す。
「鞄の中身、見せて貰おうか」
私は恐怖で声も出ず、ただ素直に盗んだ菓子類をテーブルの上に広げた。
それを見た店員は、はぁーっと深いため息をつく。
「以前から何度もうちの店の物を盗っていたね?」
まさかそこまで知られていたとは思わず、さっと血の気が引く音がした。
私はただただ肯くしかなかった。
「まずは警察、それから親御さんと学校への連絡だな。学生証、出して」
「あっ、あのっ……どうか、どうか連絡は……」
「今回だけじゃない、お前は常習犯なんだぞ。そういう訳にはいかない」
ポロポロと涙が溢れる。
自分のしでかした事の罪の重さに、胸がぐっと詰まる。
あぁ、なんてことをしでかしてしまったんだろう……。
「………でも、そうだな」
店員は私を値踏みするような眼で見て行った。
………
………
………
「キミ次第だが…」
………
………
「身体で返してくれるなら、今回は見逃してやろう」
「かっ、身体……って……」
そう言うと、店員は膝に置いた私の手に自分の手を重ね、身体を寄せてきた。