薄暗い部屋で、男女の身体が絡み合っている。
「あ、あっ……」
男性の手が女性の乳房を揉みしだき、もう片方の手はスカートをたくし上げてあらわになった足の間に伸びている。
腕が動くたびに、女性の声と水音が聞こえてきた。
「あぁ、あぁ……っ」
耐えられないとばかりに首をそらし、感じ入った声をあげる女性――
乳首をつまみ上げられ、足の間を激しく弄られて、びくっびくっと身体を震わせていた。
男性が自身のズボンを下ろし、下着の中から張り詰めたペニスを取り出した。
それは力強く天を仰ぎ、掌で何度か扱かれてそのまま女性の尻にぴとりとあてがわれる。
「はぅっ、入ってく、るうっ……!」
女性がそう声を上げると同時に、ペニスが女性の尻の間へと飲み込まれていく――
二人の身体がつながり、息を荒げながら腰がいやらしく揺れた。
肉を打つ音とともに、ペニスが出たり入ったりを繰り返す。
女性の白い腰と男の赤黒いペニスの色のコントラストが、美奈子の目にひどくいやらしく映った。
「あううぅっ!はっああっ深いっ……ふっか、いいっ、ソコぉおっ……!」
ペニスを奥まで突き立てられる度に、女性は気持ちの良さそうな声を上げる。
美奈子は、扉の前でもじもじと足をすり合わせた。
足の間がジンジンと疼き、自分で触れたくなってしまう――
ブラジャーに包まれた胸の先端がブラジャーに擦れ、甘い刺激を身体がじんわりと感じ始めていた。
ツンと固くなった乳首を、指先で摘まみ上げられたらどれだけ気持ちが良いだろう――
美奈子は無意識に、ごくりと唾を飲み込んだ。
至近距離で激しく快感を貪る二人の姿に、身体が疼いてたまらなかった。
………
………
………
翌日――
美奈子の足は、また会議室へと向かってしまっていた。
自分でもおかしいとは思っているのだが……どうしても止めることが出来なかった。
他人のセックスを間近で見ていることが、こんなにも興奮することだとは知らなかった。
ただ見ているだけでもこんなにドキドキするのに、実際に会社でセックスなんてしたら、どれだけ興奮するのだろう……
そんなことを思っては、必死に首を振って思考を散らした。
先日と同様、会議室に人気はない。
シンとした室内は、時計の音意外何も聞こえなかった。
耳を澄ませてみても、今までのように資料倉庫からの声も聞こえてこない。
(今日は、いない――?)
美奈子は資料倉庫の扉に近づき、そろりと扉を開いた。
一センチほど開いた扉から覗いてみても、人影は見当たらない。
なんだ、と扉から離れようとした、その時だった。
がらっ、と扉が動く音がして、美奈子の目の前で勝手に扉が動いた。
「え――?」
この扉は自動ドアだっただろうか?
一瞬何が起きているかわからず、呆然としてしまう、その瞬間、何かに手首をつかまれ引っ張られた。
抵抗も出来ないまま、美奈子の身体が資料倉庫に引き込まれる。
「わっ、わっ!?」
背後でドアが閉まる音がして、身体が傾き――
何かに身体を支えられ、転ぶことは免れた。
両肩を暖かいものがしっかりと支え、抱き留められている。