田舎者のあたし、望月くるみは、憧れの札幌に引っ越してきた。
地元は“ド”がつくほどの田舎なので就職先がなかったのだ。
両親も「それなら仕方ない」と言って、札幌進出を快く許してくれた!
ハッピー!!
それからは何事も大きな変化なく、日々を過ごしていました。
けど、大きな変化が生まれてしまうできごとが…
それはあたしが札幌に来て半年が経たない時でした。
いつものように休日に洗濯機を動かしてベランダに干す。
そんな日常をすごしていたある日…
この日いつもと違ったのは、干している最中にインターフォンが鳴ったこと。
あたしは「はぁい」と聞こえないはずだが返事をして、かごに入っている洗濯物をベランダに置いたままで放置した。
「こんにちは!」
そこにはさわやかな好青年が何かをもって立っていた。
「こんにちは…」
「僕、隣に引っ越してきました、
「あーそうなんですね!よろしくー」
「今日は引っ越し祝いを渡したいんですけど、お時間ありますか?」
「あ、今日休みだから大丈夫ですけど…時間かかります?あたし今お洗濯しててそのままで」
「では後程ベランダで渡しますね!」
「はい、わかりました!じゃぁ後で」
「失礼します!」
元気が良くってハキハキしてて…
なかなかの好青年だわ。
あたしは気を取り直し、玄関の鍵をかけてからベランダへ向かった。
「へ??」
洗濯物を見ると、下着入れの袋だけなくなっていた。
もしかして洗濯機の中?
と思い部屋に戻ろうとすると声をかけたれた。
「こんちわ…」
声がする方へ目線を移動させると、そこには先ほどの新堂くんとそっくりな男性がいた。
「?あ、さっきうちに来た引っ越してきた新堂さんの?」
「はい、兄です」
「似てますねー特に口元と体格が」
「…探し物ですか」
「ふふ。そうなんです。よくわかりましたね」
あたしは笑ってそういうと、新堂さんは右手を挙げた。
そこには探していた下着の袋があった。
………
………
マジか…こいつ信じらんない……
「警察呼びますよ」