「あっ!あっああんっ!」
理性なんて、もう残っていなかった。
快感が腹の奥で渦を巻き、ペニスで突かれるたびにそれが全身に広がっていくようだ。
快感のドアを何度も何度もノックされ、くいっと角度を変えて突かれた瞬間、マリカの全身がぶるぶると震えた。
腹のそこから湧き上がってくる法悦に一気に飲み込まれ、息が浅くなる。
ペニスによってこじあけられた快感のイズミから、指の先まで一気に快感が流れ込んでくる――
「いっ、あっ、あーーっ!あーーっ!」
狂おしいほどの快感に、マリカは叫ぶことしか出来なかった。
肉壁がペニスを搾り上げ、しかしペニスは止まることなく何度も同じ場所を刺激する。
絶頂へと突き上げられた身体が歓喜に震え、マリカは今まで感じたことがないほどの快楽に無意識に首をふった。
耐えきれないほどの快感に、怖くなってしまうほどだった。
「おかっおかしくなるっおかしくなるうぅっ!」
歓喜に身体を震わせるマリカの目の前に、ペニスが突き付けられる。
たくましいソレは、勇者のものだった。
「はっ、はあっんむうっ」
マリカは目の前の肉棒に吸い付き、ペニスが口内へと入ってくる。
しょっぱくてぬるぬりしたソレに頬肉を添わせて吸い付くと、口内のペニスが前後に動いた。
「んっんんぅっ、んんっ」
前からも後ろからもペニスによってかき回されて、身体の熱が止まらない。
必死に目の前のペニスに吸い付き、勇者の腰に手をまわして根本まで飲み込む――喉までペニスの先端を招き入れ、じゅううと音がするほど激しく吸い付いた。
「んっ、んんっ!」
二本のペニスが、マリカの身体をさらなる快感へと押し上げる――
これ以上はいらない程深くマリカの身体のナカに押し付けられたペニスが同時に動きを止め、びくりと震える。
マリカの身体がぶるぶると震え、身体中に力が入って硬直する――
この世の物とは思えないほどの快楽に飲み込まれ、マリカの身体が激しく震え――その動きによって、二本のペニスも激しく精液を吐き出した。
どろりとした白濁が、マリカのナカへと放出される――
熱いしぶきを感じながら、マリカは止まることのない絶頂へと、身体を震わせていた。
………
………
………
じりりっ、じりりっ――
アラーム音によって、マリカははっと目覚めた。
ぼんやりとした視界には、見慣れた天井がうつる。
「あ、あれ……?」
周りをきょろきょろと見回しても、草原も青空も、どこにもない。
あるのはよく知った自分の部屋と、あたたかなベッドだ。
「ゆ、夢かあ……そうだよね……はは……」
なんという夢を見てしまったんだ自分は――
先ほどまでの自分を思い出して、恥ずかしくなってしまう。
RPGのゲームの世界に入ってしまうなんて、まるで小学生の妄想のようだ。
「疲れてるのかなあ……」
頭上でなっているスマートフォンに手を伸ばし、アラームをオフにする。
ホーム画面に戻ると、突然通知が現れた。
「ん……?」
それは、あのRPGの通知だった。普段はオフにしているはずなのに、設定が変わってしまったのだろうか?
通知をタップすると、ゲームの画面が立ち上がった。
「あれ……?」
いつも通りの画面のはずだが、何かがいつもと違っていた。
「仲間」の欄に、今までいなかったキャラクターが二人増えていた。
草原で見たままの、勇者と魔法使いの男性だった。
キャラクターをタップすると、勇者と魔法使いがマリカに向けて話し出す。
(――こんなシステム、あったっけ?)
よく見知った――先ほどまでマリカがいた、あの草原が背景だった。
「草原ではお疲れ様!これからも一緒に楽しもうな!」
「仲間になれて嬉しいです。また今夜、お会いしましょうね♪」
そう二人の声が流れてきた後、勝手にゲームの画面は閉じてしまった。
「え、え、え?」
もしかして、先ほどまでのことは夢ではなかったのか――?
いや、身体にも異変はないし、今だって自分の良く知った現実の世界にいる。
「今夜ってことは……?」
また眠れば、彼らに会えるのだろうか。
そう考えて、無意識にマリカの口の端は上がっていた。
「はっ、いやいやいや!何考えてるんだ私!」
今夜が楽しみなんて、そんなこと――
慌てて考えをかき消す様に首を振るが、頭の中では彼らの声が繰り返されていた。
――これからも一緒に楽しもうな。
――また今夜、お会いしましょうね♪
その日の夜、再びあの草原に立っている自分を想像して――マリカは、会社へ行く準備を始めた。
腹の奥がじんわりと熱を帯びるのを、マリカは感じた。