嘘だと思いたい。
どうか、夢であって。
こんな現実はいらない。
お願いします神様。
なんでもするから‥‥‥
こんなこと‥‥
………
………
「いいか。バラしたら録画したをネットにばらまくからな。テープは俺が預かるよ、AV主婦さん」
絶対あの人にはバレたくない。
お願い、あの人には‥‥‥一生一緒にいると約束をした夫にだけは‥‥‥。
「そうだな。ネットよりも旦那にバラされる方がいいか?」
「お願い‥‥旦那には‥‥‥」
「だったら言うことを聞いてもらうぞ」
なんだっていい。
むしろこのまま―‥‥‥
‥‥‥
‥‥‥
‥‥‥
時間はさかのぼる。
あたしは一人、自宅で旦那の帰りを待っていた。
職場内恋愛の末に結婚したのだが、家庭にいてほしいという旦那の話があり、
今は職場を辞めて、一日3時間ほどのコンビニのレジ業務をしているだけ。
最初は仕事人間だったあたしなので慣れなくて、
ストレスがたまる一方だった。
けれども最近は慣れてきた。
こんな生活も悪くない。
あたしは旦那のお飾りだけど納得している。
とある日、あたしは旦那の
その途中でめちゃくちゃ美人な女性が翔平に話しかけてきた。
それから翔平は「少し話をしてくるから、先に店に入っててくれ」と言い残して消えてしまった。
嫉妬しながらも、翔平が来ることを今か今かと店で待っていた。
けど来ない。
夜になるまで待つが来ない。
電話もLINEも返事がない。
不安で不安で、店から飛び出して自宅に帰った。
もし間違って帰っていたら?
すれ違っていたら?
その返答だと希望を持ちながら自宅へ帰るあたし。
暗闇の中、走っていると男性とぶつかってしまった。