恋のはじまり

星からこぼれた涙とセックス・前編

大学1年の秋。

高校から仲良くしていたるるちゃんから紹介されたのは健人けんとくん。

女性が少しだけ苦手らしくて、行動は消極的だった。

あたしはどちらかというと、健人くんタイプではなくて、

るるちゃんの彼氏の方がタイプだった。

るるちゃんとるるちゃんの彼氏とは高校が同じで、そいつとは幼馴染なあたしだった。

いつも三人でいたけど、いつの間にか二人は付き合い始めていた。

かなり、本当にショックすぎで涙が枯れた。

でもあたしは決めた。

見守ろうと。

あたしは二人が好きだから、そうしよう。

心の中でそう固く決めたのだった。
………

………

大学に入るとるるちゃんとは別教室になり、

るるちゃんの彼氏はあたしと同じ教室になった。

「おーーゆき!高校からまた一緒だな!」

「また同じかー」

大学の玄関前で同じクラスと見つけた。

るるちゃんは端だ。

「ゆき、別れたくないよっ!!」

「可愛いこと言うね、るるちゃん!まじで流星りゅうせいにとられたくない!!」

とか言ったり。

「流ちゃん、ゆきをよろしくね!」

「るーちゃんの頼みなら!」

「ちょっと待てどあほ流星。頼みならってどういうこと!?」

「ん?るーちゃんの頼みなら嫌でも百歩譲ってわかったよってこと!」

「あたしなら五百歩譲っても嫌だけどね」

「……交換できないのかな。あたしとゆきが逆にって…………」

小悪魔的な笑顔だった。

悟ったのは「本心」だったということ。

「先生に言ってみようかな。ね、流ちゃん」

けど流星は聞いていなくて、誘ってきたサークルのほうに集中していた。

るるちゃんは少しだけ、怖い顔をしている。

流星は昔から好奇心旺盛で休むことを知らない。

あたしは幼馴染だからわかるけど、るるちゃんは大丈夫なのか。

ま、どうでもいいけど。

とりあえずるるちゃんの思考がまだ幼いと察したあたしは、

バレないようにため息をついて、そのまま校舎に入っていくのだった。

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