「教えてください。店長。わざとですか?」
あたしは今、ピンチです。
なぜかと言えば‥‥‥元凶はあたしなんですが、
若い子を欲情させてしまったから。
………
………
いやそういうつもりはなかった。
本当に偶然の事故。
でもそうだよね、19歳ってったら盛るお年だよね。
「いや、まって
あたしはお店のシャッターを背中に迫られている。
制止も聞かない。
「‥‥‥
その声は外の大雨の音で聞こえない。
けど口元はそういっている。
名前を呼ばれている。
「あの春太く―‥‥‥」
熱い熱い、長いキス。
「はる、ん、ふっ」
喋らせないつもりだ。
もがけばもがくほど、あたしの口内に春太くんの舌が入ってきて
あたしの舌をからめとる。
ちゅっと少し感覚を開けて吸われると背筋の筋肉が弱まった。
つまりは“感じた”のだった。
その瞬間に唇はようやく解放される。
「っ‥‥‥」
「感じました?空子さん」
「雇い主を名前で呼ぶな!というか大人をからかうんじゃありません。さもないと‥‥」
「さもないと?」
「‥‥絶交する」
「‥‥‥ははっ!」
春太くんはあたしのその発言に大笑いする。
なにもさ‥‥‥そこまで笑わなくても。
「てっきりクビかと思いました!」
「!!ま、ま、まぁ!あたしも大人だから少しくらいは余裕を持って、さ」
「余裕ないんですね」
「余裕なんてありありだしー!」
「なるほど余裕がない時ほど余裕あると言うんですね」
何言ってもきかないんだから。
あたしだって女だし‥‥‥春太くんはかなりのイケメンだし‥‥‥
って何考えてんだ。