恋のはじまり

ぬくもりと優しさ

ピリリリリリ…

「あ、依子よりこわりぃ。はいもしもしー?」

ピリリリリリ…ピリリリリリ…

「あーっとわりぃちょいまち。うーっす。今?もち大丈夫だぞー」
………

………

あたし、三回は我慢するよ。

ピリリリ

「依子まじごめん。ちょっと電話出るわーー」

あたし、我慢はしましたよ。

「あぁ?何言ってんだよ美佳みかー。なになに俺に話って込み入った内容なん?」

我慢、した、十分!!!!!

 

気が付くとあたしはこの男の急所を蹴り上げていた。

「よ…っいて…な、んで…」

「はは…あたし我慢できるところまではしたから。込み入っているなら会いに行けば?」

「まじ!?いいの!?」

「……」

「いいんだ!サンキュー!」

………

………

………

「あらーー…それで爆食いしてんのね?」

場面と日にち変わり、上記の内容は一昨日の話。

今は幼馴染の秋田桃あきたももと一緒に、ランチに来ていた。

しつこいと思われたくなくてあたしからはその後の連絡はしていない。

苦しくって食べるづけている。

「助けて桃。このままじゃ体重が増えるよ」

「なぁんであの男じゃないとだめなの?あんな浮気性の何がいい訳?」

「だってさ、あいつさ、動物には優しいんだ。その時の笑顔がさ…」

「本当に男運ないね」

「た…助けて…」

「…ちなみに性行為はしてるの?」

「うん」

「今のうちにやめておきなさい。じゃないとアンタ、性のはけ口になるよ」

わかってるんだ…

美佳は一番のお気に入りで可愛くて、モデルもやったことがあるらしい。

だからアイツは…吾妻亮太は美佳になびいている。

亮太は美佳にだけは、あたしにも見せないような笑顔をする。

なのに「別れよう」って言っても別れてくれない。

意味が分からない。

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