恋のはじまり

感じるセックス

あたしは今、何と比べてる?

そもそもセックスなんてあんまり好きじゃない。

だって痛いセックスしかしてないから、気持いいものの対象として見れないんだよね。

元カレのたくみくんとのセックスは相性が悪かった。

「んっ、あ、ぃあ!」

だけど知ってしまった。

セックスは気持ちいいし、暖かいものだと教えてくれる子。

出逢ってしまったんだ。

あたしに快楽を与えてくれる、愛しい子に―‥‥。

‥‥

‥‥

由奈ゆうな先生さよなら~」

「はい、さようなら」

あたしは由奈(28)です。

念願だった教師に就職して、すでに3年が経過していた。

もちろん楽しいことばかりではない。

けどあたしは様々な混乱を大切に過ごして今がある。

そんなしんみりとなって、大学一年生の教室を過ぎようとしたときに聞こえてきた。

 

「なぁ、ぜってー由奈先生って処女じゃね?」

「あ、わかるわかるー」

「いやー顔はまぁまぁ可愛いし、俺が処女卒業してやろうっかな~」

恐らくどこの学校でもいる悪い風な軍団のたわ言だ。

スルースルー。

「でもさ、不感症っぽい気もするー」

「なるなる!しかも年季入ってるまぐろだったら最悪だな」

‥‥‥うん‥‥‥

「やっべー泣けてくる!」

‥‥‥それはこっちのセリフ!無理!

 

あたしは思いっきり教室にいる連中に説教しようと、教室のドアに手をかけた。

その瞬間に机を殴る音が響いて、あたしの手は止まった。

「あのさ、憶測でそこまで言うことなくね?第一俺らに関係ないじゃん」

そこにはたった一人、違う考えの男子がいた。
………

………

こういう人って‥‥‥いるんだ。

なんだか拍子抜けしてしまった。

しかもそれを言ったのは、新入生では一番軽くて遊んでいる男子第一位のそーたくんという愛称で呼ばれている男子。

そうよ、関係ないの。

だから放っておいてね、みんな。

 

「あ、いたいた!由奈先生!!」

ちょっとーー!!!大きく呼ばないでよ!!!

あたしはそこで‥‥ダッシュして逃げ出すことにした。

「え!?なんで逃げるんですか!?お電話ですよ!若い男性の声でした!」

「その内容をここで大声で話さなくてよくないですか!!??」

「急いでいるって」

あたしは察した。

それはきっと弟だ。

義弟になるあたしの弟、春樹はるき

彼は何をどうしたのかあたしを好きだと言う。

身近でやれる人がいないんでしょ?どうせ。

 

「切ってくれて結構です」

1 2 3 4 5
RELATED NOVEL

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。