マニアック

性欲マスター

あたしはこの日のために、月曜日から金曜日まで頑張った。

そう、この日‥‥‥

この合コンまで!!!

なんとか残業ならずに仕事追われた!

この後は楽しむ合コンしかない!

そして今年のゴールデンウイークは、彼氏とお花見デートするんだから!!

闘志とうしに燃えているあたしをわれに返らせてくれたのは、同じく彼氏募集中の巨乳子、朝倉あさくらちゃん。

悠香ゆうか先輩、大丈夫ですか?」

「朝倉ちゃんか。ありがとう、我に返ったわ」

「それより、早く合コンのカラオケ行きましょう!」

「おー!」

あたしたちは、元気満々で会社を後にした。

‥‥‥

‥‥‥

‥‥‥

「初めましてー!」

朝倉ちゃんはなんの気の迷いもなく、男性陣の中に溶け込んでいった。

やっぱり若いってすごいな‥‥あたしは若干気後れしてる。

男性を目の前にすると、怖くなる。

‥‥だって‥‥‥

性欲が強いことがバレたら引かれるもん!絶対!!

 

かれこれ30年ほど女性とやらをしているが、なぜかしら性欲が強くてひどいんです。

あたしは第1回戦も第2回戦もばっちりだけど、彼氏が追い付かず、次第にはあたしは先走ってドン引きされる。

これがあたしのいつもの末路だ。

だからあたしは今回の男性攻略に、禁欲をする!!

そして徐々に徐々に満足できるような男性を攻略するのだ!!!!

 

「悠香先輩、早くー」

あたしは入り口で止まってしまっていた。現実に戻してくれたのは朝倉ちゃんだった。

「あ、は、はーい!」

動揺どうよう隠せずうろたえながらも、あたしは輪の中に入って行った。

朝倉ちゃんの隣が開いていたのでそのまま着席する。

なんだか妙に視線が感じる日だなって思って緊張が走った。

あたしは今日、ここで彼氏を見つけてお出かけデートするんだ‥‥。

一時の油断も許されないのだぞ、悠香!!
………

………
「あの、悠香さん。」

「へ?」

男性陣の中でもメガネであまり表立っていない男性に話しかけられた。

「迷惑だったらごめんなさい。その‥‥悠香さんの長い髪の毛がキレイだなって」

このセリフにあたしは落ちてしまった。

鐘が鳴ってしまった。

なぜならあたしは、自分の髪の毛が一番自慢できる、自分の一番好きなところだから。

他の男性陣からはよく目を見ながら言われることが多かったけど、この人はあたしの髪の毛だけを見ながら言ってくれた。

こんな簡単にも彼氏候補さんが‥‥‥テンションがおかしくなってしまう。

「あ、ありがとうです!!ははー!うれしー!」

照れ隠しのためにあたしのお酒スピードはあがってしまった。

「悠香先輩大丈夫!?」

「大丈夫大丈夫元気元気!!」

「ちょ、飲みすぎです!一回お手洗いに行きましょう!!」

朝倉ちゃんはあたしの腕をつかんで起こしてくれた。

あたしはふらつく感じでそのままトイレに直行だ。

1 2 3 4 5
RELATED NOVEL

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。