秋のように肌寒い灰色がかった春の土曜日、
練習試合などが続いて休みのなかった部活が久し振りに休みになったので、友達とどこか遊びに行こうかとも思ったが、急に何だか
しかし特別何かすることもなくて、結局布団の中でボンヤリYou Tubeでも見ていた。
望結はまだパジャマ姿のままで、このまま両親の帰って来る夕方まで過ごそうかと考えていたが、これはこれで逆に窮屈な気がして、昼頃、ようやく寝床から這い出て来た。
カーテンを開けると、昼らしい少し黄味がかった日光が部屋に差し込んで来て、望結はその日向でグッと体を伸ばした。
自然とアクビが出て来る。
しかしここまで来たらもう寝られない。
望結は仕方無しに布団を片付けて部屋着(黄色のTシャツと緑の短パン)に着替えて部屋を出た。
食卓には朝食のヨーグルトと、望結と望結の兄である
望結はトイレで用を足してから、顔を洗って、鼻をかみ、そしてリビングのソファにだらしなく座ってテレビをつけた。
どれも望結の心を惹くものはなく、以前から録画するだけでまだ見ていなかったドラマを見ることにした。
ソファの前に膝くらいの高さのテーブルがあって、まだ早すぎるような気もしたが、望結はそこに弁当と食べなかったヨーグルトと台所から箸とスプーンを運んだ。
半分くらい食べ終えた所で、圭太が姿を現した。
彼は何でも二年前、高校を卒業すると急に小説家になるんだ! と言い出して、それっきりずっと自分の部屋に引きこもっている。
とは言えその引きこもり具合はそれ程重たいものではなくて、実際に今は秘かに就職活動をしているらしいが、望結を含めた家の者には、圭太が何を考えて生きてるんだか見当が付かず、身内でありながら少々気味悪く思っていた。
圭太はそのニキビに覆われた顔を掻きながらトイレに行き、戻って来ると食卓に座って弁当を食い始めた。
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外から子供の騒ぐ声が聞こえる。
気付いたらもう15時を過ぎていた。
望結は何だか頭がボンヤリして来た。
ドラマを何時間もずっと見続けたばかりに目も頭もスッカリ疲れてしまったらしい。
望結は自分の部屋に戻るのさえ面倒臭くなって、とうとうそのままソファで寝てしまった。
貴重な休みの時間が驚くほど早く流れて行く…
明日は日曜日であるのに、どこかの高校と合同練習らしくて、きっと大変だろうな…
何でもそこは北海道で最も強いらしい…
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不図、望結は胸の辺りに違和感を覚えて目を覚ました。
望結のまだ発展途上な乳房を誰かが触っていて、薄目の中にボンヤリとその輪郭が見えた。