略奪の後始末

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あれ以降のことは、全て聞いた話。

幸人はよそ様のマンション部屋の玄関で、下半身丸出しで寝ていたのを通報されたらしい。

その部屋の持ち主はキャバのお姉さん。

仕事を終えて帰ってきたら、下半身丸出しの男が寝てるんだもん。びっくりだよね。

幸人は恋人の私の部屋に来たと、警察で必死に主張したそうだ。

その部屋は確かに私のだったけど、現在の持ち主のキャバのお姉さんに売却したんだよね。

幸人は私と会ってたと言ったらしいけど、会ったと言う日の私はナオちゃんと怜衣ちゃんと遊んでた。

飲み過ぎて幻覚でも見たんじゃない？

まあ、全部私達が計画したことだけど。
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幸人が押しかけて来そうだったのでマンション売却を考えてたら、向井さんが知り合いのキャバのお姉さんを紹介してくれた。

私のマンションをお姉さんに格安で売って、お姉さんの好意で幸人に復讐。

まあ、私も久しぶりにしたかったしね。

幸人とセックスした後、一応モップで玄関の床を拭き掃除してからファブリーズしといた。

見知らぬお姉さんから通報されただけでも衝撃なのに、元彼女の部屋と思ってたのに売却されて別の人の持ち物になってるうえに、深酒で記憶が曖昧だし。

幸人は相当混乱してたみたい。

ちなみに深酒の原因はナオちゃん。

男の姿で近づいて、言葉巧みに飲ませたみたい。

幸人はナオちゃんの女装姿しか知らないから、簡単に騙せた。ナオちゃんからうまく煽られて、酒の勢いに任せて私の所へ突撃。

怖いくらいにうまくいった。
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結果は不法侵入されたお姉さんの温情で、弁護士挟んで被害届を出さない代わりにかなりのお金を払わされたみたい。
幸人は会社では出世株だから、こんな不祥事はバレたくないんでしょ。

いらないと断ったけど、お姉さんから引っ越し代としてお金を分けられた。

あと瑞季の仲間に何か言われるかと思ったけど、瑞季は向井さんの暗躍（あんやく）で孤立してた。

私が向井さんとつき合ってると勘違いした瑞季は、幸人より高スペックに思える向井さんに言い寄ってたらしい。

瑞季がどれだけうまく言ったか知らないけど、瑞季の仲間連中も向井さんに私より瑞季とつき合った方がいいと忠告してたらしい。

向井さんは上手に瑞季をのせて、瑞季の仲間に対する本音を録音。

それを瑞季の仲間に暴露。そして瑞季は孤立したらしい。
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一連のことが片づいてから、私は改めて向井さんにお礼を言った。

「楽しかったですよ。また、何かあったら遊びましょうね」

向井さんはそう言ったけど、私はもう向井さんと関わりたくないなあ。