マニアック

イケメンさんから媚薬を飲まされて…

「…………?」

あたしははっと気が付いた。

なんだか体の節々が痛い。

そして両手を縛られていて自由がきかない。

縛られて……!!??

そうだ、あたしあのイケメンさんに……

「起きた?小川くるみちゃん」

「起き……た。なにこれ!」

「暴れないでよ。取材したいって言ったじゃん」

それは確かに。

けどなんであたし、目の前が真っ暗なの?

失明!?

「目が……」

「あ、大丈夫だよ。まだ傷つけてないから。そうだね。今だけ外してあげるよ」

そう言ってあたしの後頭部で結んでいる紐をほどいた。

その目の前にはイケメンさんがいる。

周囲はコンクリートの部屋。

外ではない。

そして気づいた。

あたしは捕まったんだ。

「ね?見えるでしょ?」

「放して……」

「取材終わったら帰したげる」

「取材ってこんなところで!?しかもなんであたし縛られてるの!?」

「これが今回の俺の仕事のコンセプトだからね!」

ニコニコとしていると、重い扉を開いた男性1人が入ってきた。

助けを求めようと声を出そうとするが、一瞬で気づいた。

このひとたちは仲間だ。

あたしに何かの取材をするために必要な、

イケメンさんの仲間なんだ、と。

「おーおー狩野かりの。ずいぶんと可愛い子みつけたな。コンセプトに忠実にできそうだ」

「おーそうだろ。はらさん好み」

「確かになーははっ」

笑いながらさんと呼ばれる男性が近づく。

恐怖で震えてきたあたしは、目に涙をためる。

「くぁーたまんねーなその表情。おい女子高生。なんで自分がこんな目にとか思ってる?」

そうだよ。

でも、これはあたしにも責任はある。

イケメンにつられてしまったのはあたし。

車に乗ったのもあたし。

「……ぃや、あ……あたしも信じちゃったし………」

「うわ。まじかよ。なかなか質もいいな。自分で非を認めるとか賢いな」

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