恋のはじまり

誰もいないオフィスで…

溢れだした愛液が二人の身体を伝い、肌を濡らしていた。

「きもちいっ、蒼士くんっ!ああっ!」

呼吸困難にでもなってしまいそうな程に激しい抽挿ちゅうそうが繰り返される。

絶頂が近いのか、ピストンの動きが短く、衝動的になっていく。

その動きに亜希子の身体も高められ、絶頂はもうすぐそこだった。

蒼士の腰に巻きついた足が、逃さないとでもいうようにきゅう、とさらに強く巻き付けられる。

蒼士の身体がさらに亜希子に近づき、二人の身体がぴたりと重なった。

これでもかというほど深くまで挿入され、ペニスの先端が亜希子の身体の深くを押し上げ――あまりの快感に、亜希子の身体が硬直する。

「あ、あ――」

声も上げられないほどの快感がすぐそこまで迫り、目の前がちかちかと光った。

ぐい、と蒼士の腰がさらに押し付けられ――その瞬間、亜希子の身体は絶頂へと押し上げられた。

「あっ!あ、あ!」

まるで打ち上げられた魚のように、亜希子の身体が跳ね上がる。

びくん、びくんと身体が震え、ペニスを強く締め付ける。

ペニスを包み込んだ肉壁が収縮し、男の精液を搾り取ろうとなまめかしく震えると、蒼士も低くうなりながら、精を吐き出した。

亜希子のナカを刺激していたペニスが震え、先端から白濁液をぴゅ、ぴゅと吐き出す。

それが薄いゴムへと吐き出され、二人の身体は脱力した。

薄暗いオフィスに、二人の乱れた息遣いと、性のにおいが漂っていた。

机に触れていた肌が赤くなっていることに気付き、亜希子はそれでようやく、なんということをしてしまったのだろうと焦り始める。

それとは逆に、蒼士はぼんやりとした瞳で亜希子を眺めていた。

「…蒼士、くん…?」

服を整えた亜希子が蒼士に話しかける。

はっとした蒼士の頬が、じわりと赤くなった。

「あ、その、すみません、先輩、俺…」

先ほどの男とは別人のように焦る彼に、亜希子はきゅんとしてしまう。

母性を刺激してくる年下の男は、これだから恐ろしいのだ。

「その、先輩が一人でいて、つい…その、チャンスかな、と…」

「チャンス?」

「あ、その…実は、俺…」

 

頬をさらに染めた後輩の愛の告白に、亜希子は驚いて――それから笑った。

出来たら先に言ってくれるとありがたかったんだけど、そう返事をした亜希子に、蒼士は困ったように笑いながら、謝罪を繰り返した。

- FIN -

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