「…えっ?」
一瞬だけ頬に柔らかい唇があたる。
彼を見ると私にまっすぐ突き刺さる真剣な瞳と目が合った。
少しの間を置いて、再び唇が寄せられる。
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今度は頬ではなく私の唇に…
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ほんの一センチも無い距離で止まったそれに戸惑う。
けれどその強張った表情から彼もひどく緊張しているのがわかり少しだけ肩の力が抜けた。
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何かを考える前に今度は私から少し歩み寄る。重なった唇がついばみ合い角度をかえ深く交わる。
玄関先にいやらしい水音が響く。
孝明は智子の腰に手を回し強く抱き寄せるとそこから徐々に噛み付くような激しいキスへと変化していく。
歯列を撫でられ舌を吸われ智子はうっとりと瞳を閉じて彼の首に腕をからませた。
彼は普段から改装の為に出入りしているものだからこの家の間取りは十分に知っている。
互いに言葉を発すること無く寝室の扉を開けるともつれ合いながらベッドに倒れこむ。
彼の唇が耳の形をなぞり、時折耳たぶを甘く噛みながら首筋へ指を這わす。
もう何年ぶりかわからない久々の甘い感覚に熱い吐息を漏らして足を絡めた。
胸をまさぐっていた彼の手がシャツの裾からそっと侵入してくる。
熱く大きな掌に脇腹から素肌を撫で上げられゾクゾクと淡い疼きが走った。
彼は少し手間取りながらブラを外すとその先端の蕾にそっと触れる。
ただそれだけの刺激でさえそこはいやらしくツンと尖りる。
焦れる火照りに息を荒らげ彼のシャツに手をかけた。
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「孝明さんも、脱いで…?」
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バサッと放り投げるように荒々しく脱ぎ捨てると何も
優しく抱きしめられると彼の素肌の熱さと鼓動が直に感じられ脇腹から背中へゆっくり手を回しギュっと抱きついた。
いつまでもこうしていたい、そう思った矢先に体が離れ暖かなキス。彼は唇から首筋へ、そして胸へと私の体を慈しむようにキスの雨を降らせた。