「お、いいところにカモが来たぞ」
「おーい!佐々木先生ー!!」
「ささぽん!!」
みっともないな。
たかが僕を退学にさせたいから“いいカモ”にさせられてる女性教諭が気の毒。
それとも‥‥グルかな?
………
………
「あぁ?誰だ俺をささぽんとか呼ぶ奴は」
‥‥‥え???
男性なの??
「ぶち殺されて―みたいだな」
「ははは、ちげーし」
「ささぽん、この1年がタバコ吸ってましたぁー」
「うわー、悪いなぁ」
面白いくらいのひどい演技で‥‥思わず笑ってしまった。
「おい、今笑ったろ」
「退学になりてーみたいだな」
「‥‥‥すみません、耐えきれなくて」
「何がだ」
「いや、わかりますよね?僕タバコなんか持ってないし」
「残念でしたー。それは俺らが没収したからあるうんだよねぇ」
「浅はかだな。はははっ」
いつの間にかあった、その証拠のタバコ。
なんだ、ここはたむろ場所+たばこ組が使う逃げ場所なんだ。
まったく‥‥‥仕方ないな‥‥‥。
「おい1年。名前は?」
「浅沼です」
「タバコは良くねーな―。身体に毒だぞ」
「だってよ!浅沼ちゃん残念でしたー!!!」
「あはは!確実な証拠が動かせぬ証拠ってなー」
「咥えてたから没収してましたーー!!」
だめだ。笑いが止まりそうにない。
僕は肩を震わせて耐えている。
なんかおかしいなこの先輩たちは。
「浅沼?反論するなら今のうちだぞ」
「‥‥‥え?」
「だから、反論」
僕が反論?なんで反論なんだ?僕は別に悪いことしていないし、無実を証明したいとか言ってないよ。
「ほらほらー。なんなら浅沼ちゃんの指紋とタバコの指紋とってもいいんだぞ~?」
「うわーきつー!!」
「ささぽん、退学しちゃって~~」
柄悪いなぁ。
「‥‥‥言ってみ」
でも、この先生はなぜか僕に反論してほしいって表情している。
そっか‥‥‥いいのかな‥‥‥僕なんかが‥‥‥。
「思ってること、考えてること全部話してみ」
「‥‥‥」
僕はいろいろな感情が巡ったけど、なんか退学だのなんだのってうるさいから、
黙らせよう。