そして私は
我ながら綺麗な脚だと思った。
全体的にほっそりとしていて、皮膚が滑らかに丸みを帯びている。
それはまるで練乳を綺麗に固めて作った脚型のキャンディーであり、その仄かに火照った暖かい箇所からは甘くとろけるような薫りが漂うようであった。
しかしそれは当然兄の重みのあるしっかりした筋肉が白い絹で覆われたような脚とは全く違った。
私は何度も自分の脚を捻ったり角度を変えたりして眺めながら、自分が女に生まれた事にコンプレックスのような嫌悪を感じた。
私は兄やクラスメイトの男子を羨んだ。
もし自分が男に生まれていれば、この女々しい脚は自分の欲する男の勇敢な脚になり、そしてそれは一生自分のものであるのだ。
私はそんな滑稽な事を考えながら自分の脚を軽く撫でた。
あんな事を考えた日から丁度1カ月が立った或る日の晩、私は両親にバレないように兄の部屋にこっそり入ってベッドの上に寝ている兄に近付いた。
そして兄を覆っている掛け布団の足元の方を翻すと短パンを履いて露わになっていた膝下を眺めた。
兄の脚は暗い部屋の中で仄白く光っていた。
兄は3日前に14歳になっていたけれど毛らしいものはどこにも生えていなかった。
それは大変に美しかった。
何より兄の脚は常人と比べて非常に長かった。
私は弾力のあるふくらはぎを持ち上げてみて、兄の脚の重さを感じた。
と、兄は寝返りを打って、目を覚ましてしまった。
兄は重い瞼を細く開いて私を見た。
そして暗闇の中に
私は案の定後ろに吹き飛び床に叩きつけられた。兄は直ぐに部屋の電気をつけて、驚いた。
そして急いで私の所に駆け寄ってきて倒れている私を持ち上げるようにして起こした。
兄は私に謝りながら何故こんな所にいるのかを問い質した。
私は黙っていた。
「おい、何やってたんだ?怒らないから正直に言ってみろ」
私は兄の悲しそうな顔を見て、思わず正直に全て話してしまった。
兄は暫く
状況がうまく飲み込めなかったらしい。
「お前俺の脚を見たいのか?」と訳のわからない質問をした。
私は顔を赤らめながら頷いた。
兄はまた思案顔をしてからある条件を出してそれを了承するならば自分の脚を毎晩私に貸してやると言う。
その条件というのが、毎晩兄の男性器を舐めるというものであった。