実際にモニターとして採用させて頂くかは明日、検査結果を診てからになりますので今日はゆっくり休んでください。
個室へは事務員に案内させますね。お疲れ様でした」
「お疲れ様です…ありがとうございます」
翌朝、願いどおり私のモニター採用が決まった。
交通費とささやかな礼金は応募者全員に出るとは聞いていたがバイトを休んでここまで来て高額のバイトに不採用、となるのだけは勘弁してほしかった。
「じゃあ実際にモニターになる前に薬の説明をしますね」
研究員の一人が数枚の説明書と同意書をミサキに渡し話し始める。
「まず現在巷で言われている
「えっ!そうなんですか?」
「そうです。本人の意志に関わらず性的に興奮させる、という薬は違法な成分が使われているかプラシーボ効果を狙ったものしかないんですよ。なので、我々は初となる安心で安全な合法的媚薬を開発するためにーーーー」
長い説明と何枚もの同意書のサインの後、昼食を挟んで彼女はいよいよ、実験室の前に立っていた。
もうお金を受け取ったも同然とばかりにミサキは浮足立ったまま、研究員たちの指示通りに更衣室へ行き薄い浴衣のようなものに着替える。来ていた服と下着は備え付けのロッカーへと押し込んだ。
下着はつけないように、との指示も出ていたからである。
「あの…着替えました」
「はい、じゃあそこの椅子に座って」
「は、はい…って、え?これ…ですか?」
「はい」
研究員の指差す先にあったもの…それは産婦人科にあるような分娩台だった。
ご丁寧にお尻を載せる部分に白いシートが敷かれ直接触れることがないようになっている。
(そりゃそうよね、内容が内容だもん)
恥ずかしいけど大金がかかってる…ミサキは一度思い切り深呼吸をすると服の裾を押さえながら恐る恐るそれに腰を下ろした。
「薬を入れる前に興奮して暴れないよう手足を固定させていただきますがよろしいですね?」
「え、あ…は、はい…」
無防備な格好で手足を拘束されたことで一気に不安が胸を締め付ける。
被験者の羞恥心に配慮する、という理由で上半身と下半身を分けるかのように仕切るカーテンは見えない下半身に何をされるかわからないという新たな不安の種となった。
「椅子が動きますから動かないでくださいね」
ウィン、と機械的な音が僅かにしたかと思うと脚を固定していたパーツが左右に大きく開き始めた。
と同時に背もたれが倒れ、ぐいと腰が上がる。服の裾は大きくまくれ上がり何もつけていないそこを隠すものは何もなくなった。