秋物らしい濃いブラウンのワンピースをガバっと脱ぐ彼女に驚きつつ、本当にここがお洒落なレストランの類でなかったことに安堵した。
まぁ人目が会ったら彼女ももう少し正気を残していたかもしれないが。
ちなみにワンピースの下にはキャミソール着てました。
「ふふふ、ふふ~ふわふわする、ね!」
初めてだからではなく単に酒に弱いだけなのかもしれないが頬や耳を赤く染めて虚ろな瞳で俺に微笑みかけてくる。
別に酔わせて襲おうと最初から企んでいたわけではないけれどそんな目で見られたら応じざるを得ないでしょう。
俺の先祖はどれだけ遡っても武士ではないけれど。
「優花~、熱いならその…キャミソールも脱いじゃおうか、苦しいだろ?」
「うん?うん~」
スケベ心丸出しで近寄る俺になんの疑いもなく純粋な笑顔で微笑みかけてくれる彼女は正に女神。
ただし頼むから他の男がいるときはもう少ししっかりしていてくれ。
「ねぇねぇ陽斗、ぎゅーってして」
「はいはい」
仰せのままに、と言わんばかりに彼女を後ろからギュっと強く抱きしめそのままベッドに腰掛ける。
膝に載せた彼女の肩に顔を埋めながら髪の匂いを嗅いだ。
「うん?うん…ちがうー…ちがうちがうの。向かい合ってぎゅってして」
可愛い彼女のワガママ、わたくしめは喜んで応じさせていただきますなんて鼻の下が伸びるのを誤魔化しつつこちらを向いた彼女をぎゅうっと抱きしめる。
彼女の腕が俺の背中に回りキュ、と力が込められた。
普段はあまりベタベタしたがらないのに、酔うと以外と甘えん坊になるんだなぁと髪を撫でながらニヤニヤする。
俺の首筋に彼女の顔がぽすんと埋められた。
息が首筋に吹きかかる、というか唇が当たってる。
「陽斗、えっち」
「なに、いきなり」
「…これ」