恋のはじまり

打ち上げ花火と真夏の淫夢

私がずっと憧れていた片思いの幼馴染

大学3年の夏にさしかかり、そろそろ本腰を入れて就活に取り組まなくちゃと思いながも、なかなか重い腰が上がらず、そのまま夏休みへと突入。

この時期になると、

「幸恵、たまには戻って来て顔を見せなさい」

と、毎年実家の母から電話がかかってくるのだ。

夏休みは友人と旅行に行ったりして忙しいし、来年は4年だから今年は就活も頑張って、少しでも余裕を持って将来のことを考えておかなくちゃいけない。

それに、わざわざ実家に帰省するなんて面倒だとも思っていたから、いつもなら今回も断っていただろう。

でも、こんなダラけた気持ちで就活してもどうせ上手くいかないだろうと思った私は、気分転換に地元の実家に里帰りすることにしたのです。

東京駅から新幹線に乗って、岡山駅で在来線に乗り換え、地元の津山駅に向けて出発したその道中で、昔の記憶が徐々に蘇り、懐かしい思い出にふけっていました。

「そう言えば、タクちゃんって今何しているんだろう?」

ふと幼馴染のタクちゃんのことを電車に揺られながら思い出していた。

タクちゃんとは、実家の隣に済んでいる松倉さん宅の息子さんのことで、松倉拓郎という名前の私の幼馴染である。

私より1歳年上で、幼稚園、小学校、それに、中学校に高校と15年もの間、彼と私はずっと学校が同じ。

名前が拓郎だから、幼い頃から私は彼のことをタクちゃんと呼んでいた。

タクちゃんと言えば、泳ぎがすごく達者だった記憶が真っ先に思い浮かぶ。

水泳部だったタクちゃんは、キャプテンも務め、出場した試合ではいつも好成績。

彼の自宅には、今まで小学生の頃から高校生までに多くの大会で獲った、メダルやらトロフィー、賞状といった、数え切れないほどの数々の輝かしい栄光が飾られている専用の部屋もあるのだ。

そんな泳ぎが得意なタクちゃんは、スポーツだけでなく、頭もよかったので、テストの点数はいつも学年トップクラスで、難関大学を狙える成績だった。

それだけではない。幼馴染の私が言うのもあれだが、タクちゃんは芸能人と比較しても、全然引けを取らないぐらい男前だと思う。

学校中の女子生徒たちの憧れの存在でもあったのだ。

かく言う私も幼い頃からタクちゃんに密かに憧れを持っていた女子の一人である。

タクちゃんの顔って、ビックリするほどあの羽生○弦選手に似ていて、まるで白馬の王子様といったようなイケメンなんです。

ただ、本家のようなスリムな体型ではなく、筋肉をまとったガッチリ体型をしている。

身長は185センチあり、肩幅が広く、水泳選手特有の逆三角形で胸板も厚く、全身筋肉ムキムキでパキパキにくっきりと割れた腹筋なんか惚れ惚れするほどだ。

女性なら誰もがきっとうっとりしちゃうような体格をしているんです。

吹奏楽部だった私は、水泳部でプールを泳ぐタクちゃんのことが気になって、いつも校内の3階にある音楽室からプールをこっそり見ていました。

鍛え上げられた胸筋や背筋はもちろん、女子校生になりちょうど多感になっていた頃だったからか、水着の股間部分の膨らみが妙に気になってドキドキしていた。

見れば見るほど胸が熱くなり、それと同時に私のアソコもジンジンと熱くなっていた。

すると、いつの間にか思わず咥えていたクラリネットの先端を憧れのタクちゃんのアソコに見立てていろんな妄想をしていたのである。

「やだ・・・私ったら。なんてはしたない女なんだろう・・・」

私はほのかに頬を赤らめながら、いつも彼のたくましい肉体に熱い視線を送っていた。

電車が津山駅に着き、そこからは実家までタクシーに乗って行くことに。

駅から実家までは大体30分ほどかかるが、タクシーの中でも懐かしいタクちゃんの思い出は止まらない。

そう言えば、彼は生徒会長もやっていて、お年寄りや小さな子供に親切で優しかった。

それに、正義感も強かったので、学校中の生徒から信頼され、クラスメイトには男女問わずみんなに慕われていた記憶がある。

そんな魅力がたくさん詰まったあの大きくてたくましい背中に、私は魅了されたのだ。

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