恋のはじまり

セックスの気持ち良さを実感

わたしと旦那の子どもは、2人とも女の子だ。

男の子も欲しかったけどよくばりはしない。

浮気しながら働く旦那を許し受け身な毎日。

子どもが大きくなるにつれて、子どもなりにわたしに気遣って「離婚」と言うワードで、

何回も何回も話し合った。

でもなぜかできない。

やっぱりきれいだった思い出が心の奥底で眠るから離れられない。

だめな女でもあり、親でもある。

極まれだが旦那は酔って帰ってきてはわたしを殴り蹴ることが多くなった。

それはまだ子どもらにはバレていない。
………

………
バレてしまい、男性を怖いと言う印象を与えないために。

気が付けば子どもたちは大人で、今年で20歳と28歳を超えるんだ。

だからなおさらバレては良くない。
………

………
「お母さん」

次女のはなが神妙な面持ちで、一人でいたわたしの部屋に入ってきた。

「お父さんはまだだよね」

「お父さんなら来週まで出張じゃない。どうしたの?」

「うん‥‥あのね、結婚したい人がいるの」

「まぁ。良い事じゃない!」

「でもそういうこととなればさ、あたしお姉ちゃんと同じく相手の家に行くから、この家にはお母さんとお父さんしかいなくなっちゃうんだよ」

「?どうしたの?」

声に震えが読めた。

まっすぐみると次女が泣いていた。

「どうしたのよ‥‥‥」

わたしはリビングのソファに座っていたが、立ち上がって華の背中をさすった。

「あたしもお姉ちゃんも知ってるんだよ!?お父さんがお母さんを叩いたりすること!!!」

あぁ、バレていたか‥‥‥。
………

………
「‥‥大丈夫よ。きっと華を大事にしてくれる人だわ。」

「違う!お父さんの暴力が進んだら怖いよ!お母さんがひどくなったら‥‥」

「うふふ。大丈夫大丈夫。お母さんなら心配しないで」

「でも!」

「お母さんを信じてよ。今までだって大丈夫だったでしょ?」

キレイに流す、わたしの娘の涙。

守るためにも早く嫁がせたかった。

それが叶うんだ。

わたしは喜んで夫を迎え入れられる。

本当に良かった。

 

「あのね、それで、式は挙げないんだ。籍を入れるの、明後日」

「明後日?」

「ごめんね急すぎだよね。でも、その結婚してくれる人って、白血病で‥‥すぐにでも、少しでも二人で正式にいられるようにしたいから、早くしたくて。お母さん許して‥‥‥」

「んもー、許すに決まってるでしょ。会いたいわね」

「!今日の夕食に誘ってもいい?」

「そうね」

「やった!あとはお父さんだね」

「お父さんのことは今度ね。ねぇ華。約束があるの」

「ん??」

「結婚したら、2度とこの家に戻ってはならないで。お父さんにはわたしから言っておくから」

「自分で言うよ!」

「波風立てたらあなたの旦那さんが気の毒じゃない。」

「‥‥‥うん‥‥‥」

それから華は約束通り、結婚をした。

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