恋のはじまり

イケメン王子とのセックス

もうすぐひな祭りがきます!!

それはあたしの誕生日でもあるのです!!!!

17回目の誕生日。

毎年家族が祝ってくれて、友達も祝ってくれる。

………

はずだった。

実はこの2022年の誕生日は独りぼっち。

毎年楽しみだったひな祭りも、今では何もない気力。

理由?

それは、16年間彼氏いない陰キャのあたしを好きだと言ってくれたイケメン王子が現れたから。
………

………
そして家族は離婚したので、みんながみんなバラバラに。

それはともかく、イケメン王子の件は浮かれていたのは確か。

けど、複雑だった。

だってイケメン王子を好きだと言っていた女友達に知られたから。

その女友達はイケメン王子のために毎朝部活の応援したり、

お弁当を作って昼に渡したりしていた。

それほど大好きな相手なのだ。

あたしもよく、友達に付き添って顔を合わせるくらい。

喋ったことなんて一度もない。

それがある日突然あたしに

「付き合ってください」

と言ってきたんだ。

そりゃ…嫌われるよね。

「バーカ!あんたなんかどぶにおぼれてろ!!」

朝の登校時に、肩をどんと押されて雨上がりの水たまりにしりもちをつく。

今のは…イケメン王子の取り巻きだな。
………

………
「あ、陸久(りく)!」

逆川陸久(さかがわりく)。

同級生で小学校から一緒の陸久。

中学入ってからイケメン王子の鈴木春(すずきはる)くんのおっかけをしていた。

陸久がどれだけイケメン王子を追いかけていたのか、

どれだけイケメン王子が好きで、イケメン王子が好きなもの、ことを共有したくって

趣味の幅を広げていたのか。

あたしが一番よく知っているんだ。

泣き顔であたしは陸久の名前をもう一度呼んだ。

けど振り返ってもくれない。
………

………
友達って…

友情ってこんなにもろいものなの?

こんな気持ちになるなら、死んでしまいたい。

苦しいよぉ。

誰か……助けて…

1 2 3 4 5 6
RELATED NOVEL

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。