一定のリズムを刻むように振るその動きに合わせて、ぬちゃ、っぬぽ、くちゃっと卑猥な音が響く。
美優はもうそれを恥ずかしいと思わなくなっていた。
それどころか突き上げられる度に段々大きくなる喘ぐ声を抑えることもしない。
汗で顔や首に張り付く髪もそのままに快感に溺れている。
「ぅあぁっああん!高貴、はげしいっ」
「まだ、これでもゆっくり動いてるんですよ」
「えっ!?あ、や、やあぁぁっん!」
彼は美優の腰を掴むといきなり速度を上げズンズンと突き上げる。
腰をぶつけられる度に彼女は大きく揺さぶられて髪は激しく乱れ、二人が乗るまではピンと張られていたシーツも最早ぐしゃぐしゃの大きな布と化していた。
「美優っ…もうっ…イく」
ラストスパート、と言わんばかりの猛烈なピストンに美優は何も考えられないような鮮烈な快感に身を震わせる。
そして彼が薄いゴムの中に全てを思い切り射精した瞬間に彼女も大きく体を捩らせ果ててしまった。
数十分前の激しさとは打って変わって静まり返った部屋で二人はベッドに身を預け体を休めていた。
一糸まとわぬ姿で暖かな布団にくるまり髪を撫でたり手を繋いだりと互いの温もりに寄り添う。
「…気持ちよかったよ」
恥ずかしそうに目を逸らしながら言った美優の一言に高貴は心底嬉しそうに瞳を輝かせて笑顔を見せる。
その笑顔を見て彼女もまた、それを伝えてよかった、と微笑んだ。
「正直、高貴は普段何考えてるかわかんないと思ってたけど、今日少しわかった気がする」
「…自分、不器用ですから…」
口下手ですし、女性経験も殆ど無くて、とぽつりぽつり話す男に言いようのない愛着のようなものが湧いた。
「あの、そういえばですね」
男は思い出したような口ぶりでそう言うと、(彼女には少しわざとらしくも見えたが)ちょっと待っていてくれと残してガウンを羽織り寝室を出た。
それからすぐに戻って来たが、その手には小さな紙袋が握られている。