「もし真理ちゃんが自分と同じくらい稼いで、家事もちゃんとやれるようになったら、自分なんて相手にされないってこと、夫くんはわかってないよね。だって支えるだけ無意味じゃん。そんな男」
「……ありがとうございます城田さん。なんか全ての問題が解決した気がする」
「あ、まじで? もう傷心癒えちゃった?」
焼き鳥片手に城田さんは「残念」と笑った。
「え、慰めてくれてたじゃないですか」
「どうせなら別の方法でも慰めたかったかなぁなんて」
城田さんが指をさしたのは……窓からのぞくラブホの看板。
下心を包みも隠しもするつもりはないらしい。
くすりと笑った私は、城田さんの手を握る。
「……いいですよ。慰める形じゃなくても」
多分、私には今、栄養が必要だ。
夫の機嫌に一喜一憂して、疲弊していた心を埋めるためには。
城田さんが悪い顔でニヤリとする。
恐怖心も、警戒心も、全部好奇心に流されてしまった私には、関係のないことだった。
「はーい。じゃあもう全部脱いじゃおうね」
語尾に星が付きそうなくらいノリノリで、城田さんは私の服を脱がしていく。
「ふふっ……なんか楽しくなっちゃう……城田さんも脱いで?」
城田さんの服に手をかけると、互いにくすくすと笑い合う。
「おっ! いいねぇノリノリ……。おじさん恥ずかしいなぁ」
一糸まとわぬ姿になった私達はどちらからともなく肌を重ねた。
それはただのハグなのに……心が解され、蕩けていく。
「真理ちゃんさぁ、えっちをするとき、最初に十分くらいハグすると感度が増すって知ってる?」
「そ、うなんですか?」
私の背中を撫でまわす、グローブのように大きな掌。
重なった肌が優しく擦りあう一方で、がちがちに上を向いた男根が私のお腹に当たる。
「がまん、できるんですか?」
「んー。無理かも? 真理ちゃんのここもいい具合に濡れてるし……」
「きゃ……! も、いきなりぃ……っ」
正面から抱きしめ合ったまま、おしりを撫でていた手が私の中心へ延びる。
そのまま潤んでいた場所でくちゅりとかき混ぜられた。
「いいねぇ。
「ん……」
深いキスを落とした後、城田さんは胡坐をかき、その膝の上で私に跨るように言った。
「ずっとさ、この形のいい胸、触りたかったんだよね。スパ銭の館内着でノーブラだったでしょ?」
「あっ……んんんっ! そんな急に吸わないで……っ!」
城田さんは右側の乳首を口に含むとちゅっちゅっと緩急をつけて吸う。
はむはむと乳房をやわらかくはまれると、くすぐったいような、恥ずかしいような気分にさせられた。
「んー。大丈夫。こっちもちゃんと可愛がってあげるから」
左側の胸を鷲掴みにすると好き勝手に揉まれる。
城田さんはすごく楽しそうにしていて……私もつられて笑ってしまった。
「城田さん、赤ちゃんみたい」
「そだよー赤ちゃんだからおっぱい大好きなの」
「あんっ! も、えっちな赤ちゃん」