ヤキモチ焼きの彼氏を持つと大変だ。
大変だけど、その分愛されてるって事だから嬉しい気持ちもある。
「友達も皆してるし、これくらい普通だよ」
「そうかもしれないけど俺は嫌」
スカートなんて皆短くしてるし、少しデコルテが見えるくらい…
2つ3つボタンを外すなんてのも皆してる事なのに。
「そんな格好してよそに男でも探してんの?」
彼氏、
制服の着崩しなんてもってのほか、恋人がいる生徒なんて殆ど居ない勉強一筋の学校だ。
それにひきかえ私は…正直言うと頭は良くないのでレベルもそこそこ、緩さもそこそこの学校で自由に過ごしてる。
周りの環境が違うから考え方が違うのも仕方ないんだろうけど…そんな言い方しなくたって…
「男なんて探してるわけ無いじゃん!ただのファッションだよ」
「ファッションより勉強しろよ。同じ大学通いたいし」
前半の言葉にイラついたのも束の間、その後に続いた言葉のせいで何も言えなくなった。
「勉強、教えてやるから。もうすぐ期末試験だし」
「うん!ありがとう」
「今日はうち、誰も居ないから集中出来るよ」
この時私は雄斗と一緒に大学へ通うことで頭がいっぱいだった。
桜並木の下、手を繋いで入学式へ、それから一緒に授業を受けたりご飯を食べたり…
だから、彼の企みには全く気づいていなかったのだった。
「座って」
言われるまま、雄斗の机の横に持って来られた木の椅子に腰掛ける。
「今日は範囲全部終わるまで帰さないから」
そうぶっきらぼうに言うと雄斗はロープで私の体を椅子に縛り始めた。
「えー嘘でしょ~?あはは本格的だね」
胴体を椅子の背にしばりつけられ、手は後ろ手に固定されてしまった。