「……」
「こういうこと」
「この…甲斐性なし!!」
「ほらな」
「最初からミクが好きじゃなかったの!?」
「最初から違うやつが好きだった。けどそいつはずっと好きな奴がいて、見込みないからミクと付き合った。これはミクも知ってる」
「あたしミクに連絡を―…」
「しなくていーよ」
あたしからスマホを取り上げて組み敷かれた。
「俺、ずっと弓が好きなんだ」
「うそ…」
「うそじゃない。だから、別れようと思う。そんで、お前に告白する」
あたしはあまりの驚きように、勇人を蹴り飛ばしてかばんを持って勇人宅から出て行った。
そのあとを勇人は追いかけてくる。
ぎりぎりなんとか電車に乗り込んで、人のすきまができる奥で一息ついた。
どうやら逃げられた様子。
ふー、と肩を落とすとおしり辺りがさわさわとした違和感を感じる。
(これ…もしかして痴漢!?)
声を出そうとすると耳元でささやかれた。