そう言って彼は私の髪を優しく撫でてギュ、と強く抱きしめてくる。
それに答えるように私も先輩の背中に手を回して力を込めた。
彼の温もりを全身で感じながら所々薄汚れたコンクリートの天井を眺める。
「はっ…ん、あっ、あぁぁぁっ!んっ!」
強く押し付けられた腰を小刻みに動かされるとぐちゅぐちゅいやらしい水音が響く。
唇が重ねられると有紀は薄く口を開いてそれを受け入れた。
「んん、ん…はぁ、ん」
幸輝に抱かれていると愛を感じるから、つい勘違いしてしまうと彼にフラれた女性が随分前に言っていた。
離された唇の間を透明な唾液が糸引いて繋ぐ。
彼の手が下に降りた。
腰を捕まれて強く打ち込むような激しいピストンに思わず目を見開いて彼女は小さな悲鳴を上げた。
「きゃんっ!や、あああっ激しっんあぁ!」
「激しいの、好き、だよな」
激しい動きに身を委ねた有紀は嬌声を上げ幸輝のシャツを握りしめる。
体内の全てをかきだす力強いストロークに何も考えられない。
「あぁ、ぁ、は、んん!…も、だめっ」
「有紀、エロ過ぎ」
「んぅ、は、あぁっ!や…そこ、やあぁぁっ!あー…っ!」
幸輝の指先が小さく尖った敏感な突起を軽く押しつぶす。
予想していなかった刺激に体をビクビク震わせてあっけなく絶頂に達してしまった。
「中、ビクビクしてる。そんなに良かった?」
優しい笑顔と裏腹の意地悪な質問に顔を真っ赤に染めて何も言えずにいると彼は再び腰を振り始める。
イったばかりの敏感な体は貪欲に快感を求めて彼自身を強く締め付けた。
気持ちいい、と何度も素直に口にする有紀を慈しむように彼の指が敏感な突起を優しく擦る。
ふいにきゅっと摘まれると背中を大きくのけぞらせて震えた。
「はぁっ、あぁ、いい…いいよぉ、もっとギュっとして」
彼は黙って言われるままに私を抱きしめる。
その暖かさを全身で感じながら彼の首筋に顔を埋め顔に触れる少し硬い髪や汗ばんだ匂いに頬を緩めた。
それからその首筋へ舌を伸ばしぺろと舐める。
「…しょっぱい」
「そりゃ、汗かいてるから」
塩味の残る唇へ軽いキスをされる。
ちゅ、と触れるだけのキスから唇を重ねあわせ、更に深く、そして舌を絡め歯列をなぞり口内をかき回されると鼻にかかった甘えるような声が漏れた。
「幸輝とのキス、好き。気持ちいい」
「俺も」