恋のはじまり

既婚者との営み?

「いいんですか?このままなら言っちゃいますよ?常務結婚しているのに」

「………ご勝手に。別に付き合ったり恋愛関係にはなっていないから」

「うそだ!だって常務は相馬さんが…………」

「とにかく、あたし仕事溜まってるから戻るわ。じゃ」

「相馬さん!」
………

………
あたしは聞きたくなかった。

だって各務かがみくんはあたしの初恋の相手だし。

けど各務くんは数年前に結婚している。

さすがにショックだった。

けれども、もう一度会えて、話が出来て、それだけで満足だった。

執務室に戻ると、そこには各務くんしかいなかった。

 

「あれ?常務、他の人はどこに??」

「…………」

「常務?」

不思議そうにしていると、各務くんは執務室のドアまで行き、鍵とカーテンを閉めた。

「これで誰も見れない」

「??」

「大丈夫か?なんかつらそうな顔してる」

はは、やっぱり見破られたか。

だってショックだよ。

昔から好きだった各務くんが結婚しているなんて。

もう、つらい。

「相馬は…………あまり話さないよな。どんなにつらくても人を優先する」

「そう、ですか?」

「立場もわきまえているし、よくできた部下だ。」

「はい」

「………好きな人いるのか?」

いるよ?

各務くん。

けど、かなわない。

「悪いけど、諦めてくんねーか?」

「へ?」

「俺を優先してほしい」

「え?え?」

「つまり、俺はお前が好きだ」

「…………!!!???」

「お前が誰を好きでも構わない。今日だけ、俺のものになってくんねーか?」

そういう各務くんは、あたしに近寄り腰に腕を回してキスされた。

1 2 3 4 5
RELATED NOVEL

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。