マニアック

混浴温泉

「……ここかぁ」

 二日後の週末。 

 春香ちゃんが案内してくれたのは町の中心部から少し外れた場所にある複合施設だった。

「表向きにはラブホなんですけど……てか、実際ラブホとしても営業しているんですが、大浴場があって、そこで相手を見つけて部屋に行くってことができるんです」

 私も最初連れて来れられたときは驚いたんですよーと言う春香ちゃんはなんのためらいもなく店内へと入っていく。  

受付で「とりあえず休憩のレディースプランで……オプションバブルルーム、紹介でお願いします」と手慣れている。

 私は受付の指示に従い、規約にサインした。

それぞれ貴重品用のキーを預かり、私達は『バブルルーム』と言う名の……混浴浴場へ向かった。
………

………
「あ、ラッキーですね。今日は最上階の露天風呂みたいです。この施設、5つくらい浴場があって、受付で男女比が偏らないように振り分けられるんですよー」

「へぇ……身分証のコピーを取られたときから思ってたけど、だいぶシステムがしっかりしているんだね」

「噂だと、こっそり通っている芸能人もいるらしいですよ。……そうそう、規約にない暗黙のルールなんですけど、相手が決まったらあまりお風呂場には長居しない方がいいですよ」

「え、なんで?」

「他人がしているところに割り込むのが好きって人に狙われると、ずーっとヤられちゃうんです。男性は必ず一人一部屋とることになっているんで、頃合いでタイミングを計ってください」

 逆を言えば、それを目的に来ている人もいるんだろうな、と想像し、思わずごくりと喉を鳴らす。隣でにやにやしている春香ちゃんには気が付かないふりをした。

 リゾートホテル並みの設備が整った脱衣所で服を脱ぎ、指定されたシャワールームで軽く身体を洗う。

薄いタオル一枚で身体を覆い、いよいよ浴場へと向かった。

 

「わぁ……すご……」

 普通の温泉とそん色ないくらい広くて開放的。そして

「あ……んんっ!」

 各所で、かすれたような艶っぽい声が響く。

 わざと一望できないように障害物がたくさん置かれたお風呂には、すでに睦合う肌色の影が見え隠れしていた。

 ぱしゃぱしゃと波打つ水面と、我慢しているような嬌声……私達が湯舟に浸かると、湯気の向こうから

「こんばんわー」

と陽気な声がした。

「おねーさんたちフリー?」

 こちらに向かってきたのは、年下っぽい……春香ちゃんと同い年くらいの男の人。

その視線ははっきりと私達の胸を見ている。

「ねぇ、そっちの君、先週も来てたよね? 声かけようとしたのに早々にお相手見つけちゃうんだもん」

 よく日焼けした、サーファーっぽい男の子は私達の返事より早く春香ちゃんの隣を陣取る。

スペースは有り余るほど広いのに、彼女の二の腕にぴったりと身体をくっつけた。

な、慣れている……。

「フリーですよぉ。私のぼせるの早いから、意識がはっきりしている状態のが好きなんです」

「ふぅん。透けタオルで隠せないくらいエロい身体しているなーって思ってたんだよね……こことか隠しきれてないし」

「あんっ」

 彼は濡れたタオルの上から春香ちゃんの乳首をきゅっとつまんだ。

ゆるく勃っていた乳首はしっかりとタオルを持ち上げ、うっすらとピンク色が透けている。

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