目を覚ますと、そこは見知らぬ部屋であった。
部屋の真ん中に白く綺麗なベッドが置いてある。
天井のライトはそれを明るく照らしていた。
私はライトの明かりの丁度当たらない、影の暗闇に壁に背をくっつけて、体育座りになっていた。
私は自分が来ている服を触ってみた。
それはパジャマのような服だった。
私は服の上から体を触ってみて、下着を履いていない事がわかった。
ここは何処なのだろう?
………
………
「ううぅ…」
左の影の中から何か呻き声のようなものが聞こえた。
私は驚いてその方を見た。
全く誰だかわからない。
きっと男の人だろう。
私は急に怖くなった。
もし突然私を襲って来たらどうしよう。
私は無意識に辺りを見回して、逃げる事の出来る扉を探したが、見つからなかった。
男がこちらを見た。
やばい?!目が、暗闇の中で妙に光っている。
何処かで見たような目だった。
「
パパだ。
私は安堵で
私は暗闇の中でコクリと
「何だ?
パパは立ち上がって、明かりの中にあるベッドの側まで歩いて行った。
パパも私と同じく白いパジャマを着ていた。
パパは辺りを見回してから、部屋の壁に向かって歩き、扉を探した。
が、矢張り見つからない。
「ママは?賢人は?!」
私はパパの、今まで一度も見た事のない表情をじっと見つめながら、そっと首を振った。
パパは
さすがパパだ。
パパは救急隊員だ。
背が非常に高く、又常日頃筋トレをしているのでムキムキである。
「おぉーい、誰かー、助けてくれぇー」
パパの声は部屋の中で響くだけで、一向に外に届く気配がない。
「くそっ!何なんだ!」
パパの怒声が部屋の中に響き渡る。
パパの声が壁に完全に飲まれてしまって、不意に天井からスピーカーのような音が聞こえた。