当日、指定された場所に行くと、薄暗いビルの中にある小さなオフィスのようだった。
受付には女性が一人いて、モニターに来た、と伝えるとオフィスの奥の部屋へと案内された。
そこはまるで保健室のようにベッドが置かれていて、ベッドの周りにはカーテンがひいてある。
横のテーブルで改めて説明を受けると、小さな袋を手渡された。
「では、これから一時間の間、中のグッズを使ってみてください。どれを使っていただいてもかまいませんが、終わりましたらどれを使ったのかと、使い心地などを記入していただきますので、ご了承ください。お時間になりましたらベルを鳴らしますので、よろしくお願いいたします」
そう言って女性が出て行くと、部屋に真由美一人が残された。
袋を開けてみると、ローターとバイブ、ローションにクリップ……想像よりも多くのアダルトグッズが中に入っていた。
「……よし」
ここまで来てしまったらには、しっかりモニターとしての役目をはたして一万円をもらって帰るしかない。
真由美は覚悟を決め、ベッドへと横になった。
緊張で身体がこわばり、アダルトグッズを使って楽しめるような身体の状態ではないことは自分でよくわかっていた。
まずはリラックスするために、とローションを手に垂らしてみる。
トロっとしたその透明な液体を掌で伸ばすと、ぬちゅ、と粘着質な音がした。
脚を開き、下着を下す。
ひざ丈のフレアスカートを皺にならないように整えて、真由美はローションを、秘部へとそっと伸ばした。
ぬる、とした生暖かい感触に、身体がびくりと揺れる。
直接的な快感はないが、温度と感触がセックスを思い起こさせ、身体がじんわりと高まるのを真由美は感じた。
ゆっくりとマッサージをするようにして、ローションをまぶしていく。
「んっ……」
秘部がぽかぽかして、なんだか少し敏感になってきたように感じた。
自分の指がソコを擦る度に、何とも言えないソワソワとした感覚がする。
身体の緊張もほぐれてきて、そろそろグッズを試せそうな気持ちになってきた。
「とりあえず……これかなあ……」
真由美はローターを手に取った。
細長くて、柔らかい。
先端は少し形が変わっていて、おそらく敏感な場所を狙ってあてることが出来るように作られているのだろう。
ゴムのような素材でできていて、無機質な感じはしない。
真由美はそれを脚の間にあて、上下にゆっくり動かしてみた。
「あっ……」
ローションで柔らかくなったソコをローターが擦ると、ぬちゅ、と水音がする。
素材のおかげか、まるで人の指に触られているような感覚だった。
いつの間にかクリトリスがツンと固く尖り、少し触れるだけで快感がじんわりと感じられる。
先端の部分をクリトリスにあて、真由美は横のボタンを押した。
何段階かに分かれていて、押すたびに強さが変わるようになっているらしい。
低い音を立ててローターが震え始めると、クリトリスが刺激されて優しい快感が身体中に走った。
「あっ、あ、あ……」
一番弱い振動は、確実に真由美の身体を快感へと連れて行ってくれる。
すぐに絶頂出来るほどではないが、ずっと当てていたくなるような気持ちよさだ。
少しだけ場所をずらすと、別の部分が刺激されてまた違った快感が走る。
少しずつローターを動かしながら、自分の気持ちのいい場所を探るようにして快感を味わった真由美だったが、次第に少し物足りなくなってくる。
腹の奥に熱が灯ってしまったのか、もっと強い快感が欲しくて腰が疼いた。
「は、っん、ふぅっ」
ローターの低い音と、動かすたびに小さく水音が響く。
クリトリスがヒクヒクと疼いて、たまらなくなって真由美はもう一度、ボタンを押した。
途端、ローターの動きが強くなる。
それがクリトリスを直接刺激して、敏感な場所がぐっと熱くなった。