シーツを掴み頬や胸、股に押し付け、腹の底から甘美な香りが四方に漂い、それが身体の隅々を通る神経を麻痺させて、私はその為に四肢を無闇に動かして悶える、そして13歳の処女には抑えきれぬほどの情欲が麻痺した神経から溢れ返り、妖艶な毒を含ませて赤い血をエロスに染めて皮膚を
当時の私は何も知らなかった。
自分で言うのもあれだが、当時の私は全く純真な心を持っていて、このような状態に陥った時、それを最も最適な手段で治癒する事の出来るのを知らなかった。
私は滅茶苦茶にベッドの上で暴れ、掛け布団を脚で挟んだりぐいっと抱きしめたりするしかなかった。
間もなく私は下にいる母から呼ばれて我に返り、急いでベッドから出ると呼吸を整えながら荒ぶる鼓動の落ち着くのを待って、大きな溜息をついて部屋を出た。
早めの昼ご飯を食べると私は散歩に出掛けた。
家の直ぐ近くに牛朱別川の流れる堤防があって、私はそこをぼんやりと歩いていた。
せせらぎが耳に快く、風に
そこで何を考えていたのか、覚えていない。
何か考えていたのかさえ定かでない。
私は家に帰ると、自分の部屋のベッドに腰掛けて、また先程の男の姿を思い浮かべた。
あれだけ自分の心を激しく揺さぶった光景が、ほとんど浮かび上がらず、私は自分の想像を駆使して補填しながら何とかそれを完成させようとした。
しかしその試みは失敗に終わってしまった。男の姿はもはや確かな輪郭を捨て去って、
それは恋ではなかった。
恋というものの類を外れた下劣な色欲だけが私の心に
その男というのが、工藤先輩だった。
その後、私と母は再びK高校へ行き、兄の試合を見た。
B高校は10点差で負けてしまって、私と母は車で家に帰った。
母は車の中で兄のプレーに対して色々と愚痴をこぼしていた。
私はそれに微笑するだけで、ぼんやり窓外の移り変わる景色を眺めていた。
私はそれ以降、毎日のように工藤先輩に対する情欲が身体を流れる血を侵すのをひしひしと感じて、頭も心も美しい白い肉体に占領されてしまって、それからある日の夜、私ははじめて自慰行為を経験した。
何度も何度も心に工藤先輩の彫刻のような上半身を想って、自分の細い手でまだ未熟な乳房を揉み、果汁の溢れ出した柔らかな桃を愛撫していた。
しかし以外にもこれだけ執拗に工藤先輩を想っているのに夢に出てくる事は一度もなかった。
そして毎晩お風呂に入る時に私は必ず鏡に映る自分の白く細い身体を見ながら、脚を上げて自分のまだ薄い毛の生えた桃を覗いたり、お風呂からあがると火照った脚や足の指先を克明に眺めたりして、自分の身体に気を遣いはじめた。
中学三年生になって、私はA高専に入学する事を決めた。