「あ、おい!テメー!」
「誰だって聞いて―……え?莉奈?」
「…………誰。この男」
「お、落ち着いて、莉奈」
「早く答えて。なんでやるとかやらないとか……彼氏なの?」
「莉奈、あのね」
「なんで連絡くれなくなったの?あたしなんかより男が良かったの?」
「あぁー花音が言ってたこえー幼馴染ってこいつのことか」
怖い?
「口挟まないで」
「莉奈。彼氏はいないよ。この男は勝手に居座ってるだけだから!」
「おい花音。何言ってんだよ。俺らつきあってんだろ」
花音の嘘はよくわかる。
嘘つくときの花音のえくぼは一つしか出てこないんだ。
そして今はまさしくそれだった。
「帰る」
「待って莉奈!」
「大丈夫。花音にはあたしがいればいいから。だから、この男、頂戴?」
「え??」
「だっていらないでしょ?彼氏でもないんだから」
「莉奈、何言ってんの?」
「ねぇ咲夜くん。あたしと一緒にホテル行かない?」
「は?俺とやらせろってことか?」
「うん」
「莉奈、いい加減にしないとマジ切れするよ」
「じゃぁ咲夜くん借りてくわ」
「莉奈!!」
あたしは制止も聞かずに咲夜くんを連れてホテルに入った。
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