マニアック

大人の息抜き

 嘘ではない。

 旦那とのセックスは淡泊で……というか、

結婚してから自分さえ発散できればいいという感じが色濃くでており

相手をするのがとても疲れる。

仕事と家事に並ぶ労働にも感じ、新婚だというのにすっかりご無沙汰なのだ。

「ふーん? じゃあ今日はいっぱい楽しまなきゃねぇ」

 ぷりっと乳首を指で転がすタケルはもにゅもにゅと胸の感触を楽しんでいるようだ。

やがて、その手は私の太ももに伸びて、中心部に潜り込む。

「んんっ……やだ、なんか恥ずかし……」

 くすぐったさに思わず身をよじる。

「久しぶりだから? それとも、お湯の中でもとろとろだってわかっちゃうから?」

「あぁっ!」

 茂みをかき分けて、簡単に捉えられてしまったクリトリス。

すりすりと陰部を指で撫でられると、びらびらが指に絡みつくように反応してしまう。

「あー……ねぇ、せっかくだから見てもらおうよ」

「え……? って、きゃあ!」

 タケルは私が背中を預けているのをいいことに、

膝裏を固定するとそのまま足をぱっくりと広げてしまう。

そしてざばっと立ち上がった。

「ちょっ! やだぁっ!」

「こら! 暴れたら危ないって!」

 まるで小さい子が用を足すのを促しているような体制に思わず悲鳴をあげた。

そのせいで、逆に注目を浴びてしまう。

「あぁっ」

 慌てて隠そうにも、タケルはそれを許さず、私の恥ずかしいところが思い切りさらされる。

声の響く浴槽で、誰かが「おぉ」と感嘆を漏らし、

誰かが「大胆だねぇ」と笑った。

顔から火を噴きそうなほどの羞恥心に心臓が張り裂けそうになる。

けれども、それ以上に奥がきゅんきゅんと反応し……

甘い痺れに切なくなる。

「よっと……見られてするのもまんざらじゃないかんじ?」

 タケルは淵に座ると、足を閉じないようにささやく。

「自分で膝裏ひざうら抱えてよ。その方が気持ちいいと思うよ」

「いやぁ……はずかし……」

「それがいいんだって。ねぇ?」

「え……?」

 さすがの羞恥心に堅く目を瞑っていた私は、

タケルが誰かに声をかけたように聞こえて顔を上げる。

するとそこには

「え! あ、うそっ!」

 複数名の男性が湯舟に浸かりながらじっとこっちを見ていた。

「きゃあっ!」

「こーら、隠さない」

 反射的に閉じようをした脚をタケルはなおのこと開く。

「ワニって知ってる? 
混浴温泉で、ハルカちゃんみたいなえっちな子を観察する人達のことをそう言うんだよ。
あぁ、安心して? 
あの人たちは見るのが好きで、全員に犯されちゃうわけじゃないから」

「そ、そんな……!」

「え、混ざって欲しいの?」

 慌てて首を振る。

「ぜ、全員は無理……」

「そう……じゃあ」

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